「あれ?動かない」スカートが車輪に絡まり、男性に助けてもらった私。笑顔で見送った直後に起きた悲劇
車輪に巻き込まれたスカートのすそ
真夏の昼下がり、20代だった私は、買い物帰りに自転車をこいでいました。
日差しが強く、少し走っただけでも汗がにじんでくる暑さでした。
ところが突然、ペダルが重くなり、自転車が動かなくなったのです。
「えっ、何?どうしたの?」
慌てて足もとを確認すると、スカートのすそが後ろの車輪とチェーンの間に巻き込まれていました。
降りようとしても、スカートが引っぱられて身動きが取れません。
「うそ……ちょっと待って!」
すそを引っぱっても、布が食い込んで抜ける気配はありません。
自転車を支えたまま困り果てていると、40代くらいの男性が近づいてきました。
「大丈夫ですか?スカート、挟まっちゃったんですか?」
「そうなんです。引っぱっても取れなくて…」
男性は車輪をのぞき込むと、少し考えてから言いました。
「これ、切らないと難しそうですね。ちょっと待っててください。そこのお店ではさみを借りてきます」
男性はすぐそばの小さなお店へ向かい、しばらくすると、はさみを持って戻ってきました。
「少し切ってもいいですか?」
「はい!もう、切っちゃってください。すみません、ありがとうございます」
男性はしゃがみ込み、車輪に巻き込まれた布を慎重に切り始めました。
「なるべく少しだけ切りますね」
「はい、お願いします…!」
何度かはさみを入れてもらうと、引っぱられていたスカートが少し緩み、私はようやく自転車から降りることができました。
ただ、布の一部はまだ車輪に巻き込まれたままでした。
「もう大丈夫」と言った直後に
それでも私は、自転車から降りられたことで、もう押して帰れると思い込んでいました。
男性は汗だくです。こんな暑い中、これ以上手伝ってもらうのは申し訳ありません。
「もう大丈夫です。ありがとうございました。本当に助かりました!」
そう伝えると、男性は少し心配そうな顔をしました。
「まだ布が残ってますけど、大丈夫ですか?」
「はい!あとは何とかできそうです」
男性は「無理しないでくださいね」と言い、借りたはさみをお店に返すと、その場を離れていきました。
私は笑顔で手を振り、男性の姿が見えなくなったところで、自転車のハンドルを押しました。
ところが…。
「あれ?動かない……」
後ろの車輪がまったく回らないのです。
巻き込まれた布は、まだスカートのすそとつながっていました。自転車を押そうとすると、服まで引っぱられてしまいます。
「ええっ!ちょっと、うそでしょ…」
さっきまで手伝ってくれていた男性を、自分から帰してしまったばかりです。
「大丈夫って言っちゃったのに…!」
情けないやら恥ずかしいやら。あまりの間の悪さに、思わず笑ってしまいました。
それでも動かないものは動きません。
しばらく車輪と格闘していると、先ほど男性がはさみを借りたお店から、50代くらいの女性が出てきました。
「あら、まだ取れてなかったの?さっきの人、帰っちゃった?」
「はい…もう大丈夫だと思って、帰ってもらっちゃいました」
私が苦笑いすると、女性も少し笑って言いました。
「あらまあ。とりあえず、日陰においで。暑いでしょう」
女性は30代くらいの男性店員を呼び、2人で自転車を持ち上げて、店の軒下まで運んでくれました。
私はスカートが引っぱられないよう、すぐ横を小さな歩幅でついていきました。
そして2人が車輪を慎重に逆回転させると、引っかかっていた布が少しずつ緩み、ようやく外れたのです。
「あっ、取れた!ありがとうございます!」
今度は自転車を数歩押して、ちゃんと車輪が回ることを確認しました。
「はい!今度こそ、本当に大丈夫です!」
女性も男性店員も笑ってくれました。
後日、お礼の菓子折りを持ってお店を訪ねると、女性は私のスカートを見て、にっこり。
「今日は、ちゃんと押さえてきたのね」
「はい!もうあんなことにならないように気をつけます」
最初に助けてくれた男性には、きちんとお礼を伝える機会がないままです。
あの日のことを思い出すたび、助けてくれた人たちへの感謝と、「もう大丈夫です」と自信満々に言ってしまった自分の恥ずかしさが、今でもよみがえります。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














