「あの子、今なんて言った?」レジでポイントカードを聞くはずが大失敗。年配の男性が頭に手をのせて返した言葉に赤面
一日じゅう繰り返していた言葉
スーパーでレジのアルバイトをしていたころの話です。
私が仕事中に何度も口にしていたのは、「ポイントカードはお持ちですか」という言葉でした。
毎日何十回も繰り返しているので、ほとんど無意識に言えるほどになっていました。
その日は人手が足りず、私は朝からずっとレジを担当していました。
休憩も短く切り上げ、夕方には足が痛くなり、頭もぼんやりしていました。
仕事帰りのお客さんが増える時間帯になっても、レジの列はなかなか短くなりません。
私のレジには会計を待つお客さんが何人も並んでいて、時計を気にしたり、列の先をのぞき込んだりしていました。
「まだかしらね」
そんな声も聞こえてきます。
疲れているからといって、手を止めるわけにはいきません。
私はいつもどおり笑顔を作り、目の前の商品を次々とスキャンしていました。
「身長はお持ちですか」思わず出た言葉に赤面
次にレジへ来たのは、白髪交じりの年配の男性でした。
男性は買い物かごを置くと、穏やかな声で言いました。
「お願いします」
私はいつもの調子で会釈を返し、口を開きました。
「いらっしゃいませ。身長はお持ちですか?」
言い終わった瞬間、自分でも何を言ったのか分からなくなりました。
……身長?
ポイントカードと聞くつもりが、なぜか「身長」と言ってしまったのです。
慌てて言い直そうとした、そのときでした。
男性は少し考えるような顔をすると、自分の頭のてっぺんに手のひらをのせました。
「ええと……たぶん、このくらいですかね」
あまりにも真面目な顔で答えるので、私は思わず固まってしまいました。
すると、男性のすぐ後ろに並んでいた女性が、隣にいた連れの男性に小声で尋ねました。
「あの子、今なんて言った?」
「身長、だって」
それを聞いた女性が、思わず吹き出しました。
近くに並んでいたお客さんたちからも、くすくすと笑い声が聞こえてきます。
「あっ、違います!ポイントカードです!すみません!」
私は顔が熱くなるのを感じながら、何度も頭を下げました。
すると男性は、頭にのせていた手を下ろし、財布からポイントカードを取り出しました。
「こっちもちゃんと持ってますよ。身長は測らなくていいんですよね?」
「はい! すみません、本当に…!」
私がもう一度謝ると、男性は笑ってカードを差し出してくれました。
後ろにいた女性も、まだ少し笑いながら声をかけてくれました。
「大丈夫、大丈夫。慌てなくていいからね」
さっきまで張りつめていた気持ちが、少しだけ軽くなりました。
それからしばらく、そのときレジに並んでいた常連のお客さんたちは、私のレジに来ると、ときどき頭のてっぺんを指さしてからカードを出してくれるようになりました。
そのたびに、あの日の恥ずかしさがよみがえります。
それでも、今では思い出すと笑ってしまう、忘れられない出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














