「腕だけで引いちゃダメなんだ」綱引きのコツを家族に教えた私が、競技開始直後に見せた恥ずかしい姿
「コツがある」と胸を張った運動会
数年前、娘の小学校の運動会を見に行ったときの話です。
その日のプログラムには保護者の綱引きがあり、私はお父さんチームの一員として出場することになっていました。
よく晴れた日で、観客席は朝から家族連れでにぎわっていました。
出番が近づくと、私は妻と娘の前で袖をまくり、ちょっと得意げに言いました。
「パパね、綱引きはけっこう得意なんだよ。コツがあるんだ」
すると妻が、不思議そうな顔で聞いてきました。
「えっ、そんなにやったことあったっけ?」
「まあ、見ててよ。腕だけで引くんじゃなくて、腰を低くして、体重を後ろにかけるんだよ」
私はその場で少し腰を落とし、綱を引くまねをしてみせました。
すると娘も隣で同じ姿勢になり、目を輝かせました。
「へえ、そうなんだ!パパ、絶対勝ってね!」
「任せとけ!」
そんな私を見て、妻は苦笑いです。
「もう、張り切りすぎて転ばないでよ」
「大丈夫、大丈夫!」
私はすっかりその気になり、意気揚々とグラウンドへ向かいました。
綱の前に並ぶと、ほかのお父さんたちも観客席に手を振ったり、袖をまくり直したりしています。
私も負けていられません。娘にかっこいいところを見せようと、気合十分でした。
自信満々で引いた結果、まさかの尻もち
そして、いよいよ競技開始。
号砲が鳴った瞬間、私は教えたとおりに腰を落とし、思いきり綱を引きました。
「よし、いける!」
そう思いながら、さらに体重を後ろにかけます。
ところが、ここで予想外のことが起きました。
体を後ろに倒しすぎて、踏ん張りが利かなくなってしまったのです。
「あっ、ちょっ…!」
慌てて姿勢を戻そうとしましたが、もう間に合いません。
次の瞬間、私はグラウンドに勢いよく尻もちをついていました。
しかも、周りのお父さんたちまで次々とバランスを崩し、尻もちをついています。
観客席からは、どっと笑い声が上がりました。
私は綱を握ったまま、しばらく青い空を見上げていました。
あんなに自信満々だったのに、まさか自分が転ぶとは…。
「いやあ、引きすぎましたね」
他のお父さんが、照れくさそうに笑っています。
「僕もです。ちょっと倒れすぎましたね…」
そう答えると、お互いに顔を見合わせて笑ってしまいました。
周りからは拍手まで聞こえてきます。
恥ずかしくてたまりませんでしたが、もう笑うしかありませんでした。
妻の一言に、何も言い返せなかった私
競技が終わり、観客席へ戻ると、娘が涙を浮かべるほど笑っていました。
「パパ!すごかった!あはは、みんな転んじゃった!」
「いやあ、ちょっと力が入りすぎちゃってさ……」
私が頭をかいていると、妻が背中についた砂を払いながら、にやりと笑いました。
「ねえ、コツって転び方のことだったの?」
「いやいや、違うって!あれは、その…」
言い訳を考えている間に、娘がまた大笑い。
結局、何も言い返せませんでした。
その晩の食卓でも、娘は私が尻もちをついた姿を何度もまねしていました。
「パパ、こうなってたよね!」
妻も思い出したように笑い、私までつられて笑ってしまいました。
娘にかっこいい姿を見せるつもりが、すっかり笑いの種になってしまった運動会。
綱引きのコツを語るときは、もう少し控えめにしようと思った出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














