「子どもが泣いてるのに」料理を冷たいのに交換してくれという客。だが、店長が伝えた正論とは
同じ説明を、二度繰り返した
飲食店のホールで働いている。昼のピークが過ぎ、店内が少し落ち着いてきた時間帯のことだった。
あるご家族のテーブルで、私は注文を取った。あたたかい料理を選ばれたので、伝票に書き、内容を読み上げて確認してから厨房へ通した。
料理をお出ししてしばらくしたころ、お子さんが泣き始めた。
半分ほど食べたところで、冷たい料理のほうがよくなったらしい。
お母さんから「冷たいものに替えてもらえますか」と言われ、私は店の決まりを説明した。
「一度お出しした料理との交換はできません。新しくお作りする場合は、別のご注文になるので料金がかかります」
お母さんは、お子さんのほうを見ながら困った顔をされた。
「でも、子どもが泣いてるので…」
気持ちは分かった。ただ、私の判断だけで無料で作り直すことはできない。私はもう一度、同じ内容を伝えた。
それでも話がまとまらず、店長を呼ぶことになった。
三度目は、店長の口からだった
店長はまず伝票を見て、私に注文時の確認について聞いた。
「注文を間違えたわけではないんだよね?」
「はい」
店長はうなずくと、ご家族に向き直った。
「申し訳ありませんが、一度お出しした料理は交換できない決まりです。別の商品をご希望でしたら、新しいご注文として料金をいただきます」
私が二度伝えたことと、同じ内容だった。
声を強めることもなければ、お客様を責める言葉もなかった。ただ、店としてできることとできないことを、短く説明していた。
結局、新しい料理の注文はなく、ご家族はそのまま会計をして帰られた。お子さんは帰るころには泣きやんでいた。
注文を間違えたわけではなく、確認もしていた。それでも、お客様の希望が途中で変わることはある。
あの日いちばん安心したのは、店長が私をかばうために特別なことを言ったからではない。
私が説明していた店の決まりを、店長も同じように伝えてくれたことだった。
今でも注文を取るときは、内容を読み上げ、伝票を相手のほうへ向けて確認してもらうようにしている。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














