tend Editorial Team

2026.09.05(Sat)

「子どもが泣いてるのに」料理を冷たいのに交換してくれという客。だが、店長が伝えた正論とは

「子どもが泣いてるのに」料理を冷たいのに交換してくれという客。だが、店長が伝えた正論とは

同じ説明を、二度繰り返した

飲食店のホールで働いている。昼のピークが過ぎ、店内が少し落ち着いてきた時間帯のことだった。

あるご家族のテーブルで、私は注文を取った。あたたかい料理を選ばれたので、伝票に書き、内容を読み上げて確認してから厨房へ通した。

料理をお出ししてしばらくしたころ、お子さんが泣き始めた。

半分ほど食べたところで、冷たい料理のほうがよくなったらしい。

お母さんから「冷たいものに替えてもらえますか」と言われ、私は店の決まりを説明した。

「一度お出しした料理との交換はできません。新しくお作りする場合は、別のご注文になるので料金がかかります」

お母さんは、お子さんのほうを見ながら困った顔をされた。

「でも、子どもが泣いてるので…」

気持ちは分かった。ただ、私の判断だけで無料で作り直すことはできない。私はもう一度、同じ内容を伝えた。

それでも話がまとまらず、店長を呼ぶことになった。

三度目は、店長の口からだった

店長はまず伝票を見て、私に注文時の確認について聞いた。

「注文を間違えたわけではないんだよね?」

「はい」

店長はうなずくと、ご家族に向き直った。

「申し訳ありませんが、一度お出しした料理は交換できない決まりです。別の商品をご希望でしたら、新しいご注文として料金をいただきます」

私が二度伝えたことと、同じ内容だった。

声を強めることもなければ、お客様を責める言葉もなかった。ただ、店としてできることとできないことを、短く説明していた。

結局、新しい料理の注文はなく、ご家族はそのまま会計をして帰られた。お子さんは帰るころには泣きやんでいた。

注文を間違えたわけではなく、確認もしていた。それでも、お客様の希望が途中で変わることはある。

あの日いちばん安心したのは、店長が私をかばうために特別なことを言ったからではない。

私が説明していた店の決まりを、店長も同じように伝えてくれたことだった。

今でも注文を取るときは、内容を読み上げ、伝票を相手のほうへ向けて確認してもらうようにしている。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.22(Thu)

「墓場まで持っていくから」二度も詐欺に遭った姉が私にだけ打ち明けた秘密→何も知らない夫の前で見せた笑顔に背筋が凍った
tend Editorial Team

NEW 2026.10.22(Thu)

「忘れるわけないって」大学時代に貸した3千円を諦めた私。数年後、偶然再会した同級生から聞かされた言葉
tend Editorial Team

NEW 2026.10.22(Thu)

「合ってる合ってる。もういいから」注文確認を切り上げた男性客。だが、受け取り窓口で怒鳴り始めた結果
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.08.29(Fri)

嘘だと言って…三代目JSB、15周年ライブに今市隆二が出演せず。6人での開催という『苦渋の決断』
tend Editorial Team

2026.09.01(Tue)

「棚ではもう少し安かった気がする」会計で金額に戸惑った客。だが、店長が売り場を見て直したもの
tend Editorial Team

2025.10.23(Thu)

「老後はのんびり過ごそうね」と言う優しかった夫。そんな夫が定年の日に家を出た理由とは【短編小説】
tend Editorial Team