「そんなに食べられる?」朝食バイキングで山盛りの皿を運んできた同僚。だが、忘れ物を取りに戻った私が思わず吹き出した瞬間
朝食会場で目を疑ったお皿
社員旅行で、有名なホテルに泊まった翌朝のことです。
その日は自由行動で、朝食はホテルの高い階にある会場でのバイキングでした。
エレベーターを降りると、窓の外には街の景色が広がっていて、朝から少し特別な気分になりました。
同じ部屋に泊まった同僚と席を探していると、ほかの同僚たちも次々にやって来ました。
せっかくなので、みんなで同じテーブルに座ることに。
「交代で取りに行きません?先にどうぞ」
年下の同僚がそう言ってくれたので、私は先に料理を取りに行きました。
サラダとご飯、お味噌汁をトレーにのせて戻ると、今度はその同僚が席を立ちました。
ところが、しばらくして戻ってきた同僚のお皿を見て、思わず目を丸くしました。
料理が山のように盛られていたのです。少し傾けただけで崩れてしまいそうなほどでした。
「えっ、すごい量!そんなに食べられる?」
私が驚いて聞くと、同僚はにこにこしながら答えました。
「食べきれなかったら、まあ、残すしかないですけど。バイキングですし」
その返事に、私は少し引っかかりました。
せっかくの料理なのに、残してしまったらもったいない。そんなに取らなくてもいいのになあ、と思いながら、自分のお味噌汁をすすりました。
忘れ物を取りに戻ると、そこには
食べるのが早い私は、同室の同僚と先に席を立ちました。
けれど、エレベーターに乗っても、さっきの山盛りのお皿が気になって仕方ありません。
「あれ、残したら片づける人も大変よね」
すると、隣にいた同僚が笑いました。
「もう、さっきからそればっかり。そんなに気になる?」
「だって、すごい量だったじゃない」
そんな話をしながら部屋に戻ったのですが、バッグを開けたところで、ふと手が止まりました。
ハンカチが見当たらないのです。
どうやら朝食会場のテーブルに置き忘れたようでした。私はひとりで会場へ引き返しました。
元のテーブルに戻ると、端のほうにハンカチが残っていました。
ほっとして手に取った、そのときです。
何気なく向かいの席を見ると、さっきまで料理が山盛りだったお皿が、きれいに空っぽになっていました。
「えっ……全部食べたの?」
思わず声が漏れました。
驚いて会場を見回すと、デザートコーナーの列に、空の取り皿を持った年下の同僚がいました。
私に気づいた同僚は、うれしそうに手を振ってきました。
「二周目、行ってきます」
その明るい声を聞いた瞬間、私は思わず吹き出してしまいました。
あれだけの料理をすっかり食べ終えて、今度はデザートまで楽しもうとしているのです。
残すに違いないと勝手に決めつけて、ひとりで心配していた自分が、なんだかおかしくなりました。
「待って。じゃあ、私もデザートだけ食べようかな」
「そうこなくっちゃ!」
同僚は楽しそうに笑いました。
私も隣に並び、小さなケーキをひとつお皿にのせました。
窓の外に広がる街を眺めながら食べたデザートは、旅行でいちばんおいしく感じられました。
人の食べられる量なんて、見た目だけでは分からないものですね。あの同僚の笑顔を思い出すと、今でもつい笑ってしまいます。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














