tend Editorial Team

2014.11.02(Sun)

サロン・デュ・ショコラ パリ2014 会場レポート

ES KOYAMA

小山進さんの「エスコヤマ」は、日本の食文化と詩的な情緒が融合した独特な世界観で注目されており、今年のC.C.C.(チョコレート愛好家協会)の品評会でもアワードを受賞しました。受賞作は「SENSE」をテーマとした4品で、カカオの源流コロンビアで育まれた2種のオリジナルクーベルチュールガナッシュを2層にした『2コロンビア』、桜の葉の香りのミルクチョコレートガナッシュとフランボワーズ風味のブラックチョコレートの2層からなる『桜の葉&フランボワーズ』、ミルクチョコレートに焦がし醤油を加えたガナッシュ『こがし醤油』、そして『抹茶&パッションのプラリネ』。そしてボックスに描かれているのは、心象風景を1つ1つ映し出す内田江美さんが手がけるイラストとなっていました。

PICCOLA PASTICCERIA

イタリアに渡って10年という才村由美子さんが、アンジェリーナ・チェルッロさんとともに2008年にピエモンテにオープンした「ピッコラ・パスティチェリア」。もともとは料理人でしたが、次第にチョコレートに惹かれていったのだそうです。今年は2回目の出店。さらにフランスで腕試しを、とシャルル・プルースト杯にも初挑戦し、入賞は逃したものの決勝戦まで残るという成果を手に入れています。ピエモンテ産のヘーゼルナッツを使ったボンボンチョコレートが美味しい。またサフラン、バルサミコ、マルサラ酒など、イタリアの素材を生かしたクリエーションも新鮮です。

THEOBROMA

土屋公二さんの「テオブロマ」は、フランスでも根強い人気を集めています。常にカカオを追い求める姿勢で知られる日本のショコラティエの先駆者の土屋さん。昨年は南米ペルーのピウラ地方で採れる珍しい豆、ホワイトカカオのタブレットを紹介してフランスのショコラティエからも一目置かれており、今年はそのホワイトカカオを使用したボンボン・ショコラを発表。フルーティな甘酸っぱさが今までに出会ったことのないような味わいでした。柚子風味のガナッシュと胡麻のプラリネのマリアージュも見事。また、富士山の模様を描いた日本酒風味のガナッシュはベストセラー。このガナッシュを目当てにやってくる客も多いそうです。

向山製作所

新鮮な牛乳、生クリーム、バターを使用して、手作りで一粒一粒丁寧に仕上げた「向山製作所」の生キャラメル。もともとは電子部品製造会社だった会社ですが、独自開発で生キャラメルのレシピを生み出しヒット商品となりました。福島県を本拠地とする「向山製作所」代表の織田金也さんは、日本の食の未来を見据えて奮闘しています。 そんな思いが3年前からのサロン出展に結びつき、従業員とともにパリのアトリエでオリジナル生キャラメルを作り、サロンに搬入したそう。チーズのようなテクスチャーでワインにもよく合うと、フランス人にも好評です。味わいは胡麻、カラメル、さくら、バジルなどの12種。

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