カラーの魔術師！ロック＆デザインなクリストフ・アダム

しっかりとキャラメリゼされたパイ生地に、クリームをつけながら食べられる。新しいミルフィーユの提案の仕方。

ガラス瓶入りのデザートでは、ミルフィーユがとても人気です。上品な甘味のインド産バニラクリームを瓶に入れ、パイ生地は別に提供しています。ミルフィーユの醍醐味は、さくさくのパイ生地と滑らかなクリームのコントラスト。直前にクリームを塗って食べるとフレッシュに味わえる、その発想を商品化したのは素晴らしいアイディアだと思います。

ふんわりとしたメレンゲ、カスタードソース、キャラメルのバランスが良い“ウフ・ア・ラ・ネージュ”。

また、昔ながらのメレンゲデザート“ウフ・ア・ラ・ネージュ”もガラス瓶に入れて。一般的には、カスタードクリームにメレンゲをふんわりとのせたものですが、アダムでは、「ゲランドの塩」入りのバターのキャラメルに、卵白のメレンゲ、そしてバニラビーンズたっぷりのカスタードソースを重ねるスタイル。キャラメルの濃厚な甘味と苦味、気泡たっぷりでふんわりとしたテクスチャーのメレンゲ、バニラビーンズたっぷりの滑らかなカスタードと、さまざまな香りとテクスチャーを楽しめる、キュートなアイディアのデザートでした。

出版されたばかりのレシピ本“Tartelettes（ミニタルト、の意）!”カラフルで独創的なタルトのレシピが甘味、塩味まで網羅されている。

アダムは本の出版にも取り組んでいて、お得意のエクレア本に続き、この3月にタルト本“Tartelettes!”も出版したばかり。ニンジンタルト、パッションフルーツ風味の川スズキ入りタルトなど、塩味タルトから、ライムタルト、ブラックタルトなどの、カラフルなタルトまで、今までになかったようなタルトのレシピを紹介。既存のパティスリーのイメージを覆すような、“ロック”で“デザイン”なクリエーションに挑んでいきたいと、アダムは語っています。

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プロフィール

伊藤文（いとうあや）：料理ジャーナリスト 1993年渡仏。コルドンブルー料理学校パリ校卒業後、フランスの食文化を掘り下げる取材を重ねる。 著書に『フランスお菓子おみやげ旅行』、訳書に『招客必携』、『ロブション自伝』など多数。

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