
イオンの車椅子を“おもちゃ”にした動画が物議記事の概要
6月下旬、TikTokに投稿された1本の動画が、SNS上で炎上騒動を巻き起こしました。
問題の動画には、大手ショッピングモール『イオン』の貸出用車椅子に乗った若者が、バランスを取りながら前後に揺れ動く様子が映っています。撮影場所はイオンのイートインコーナーと見られ、撮影者や周囲の若者たちは爆笑。さらには、テーブルの上に座ってふざける姿まで収められていました。
動画を投稿したアカウントの紹介文には「スケーターの裏側」とあり、これにより“スケーター全体”への批判も集中。コメント欄や他SNSでは、
「またスケーターか。評判落としてどうする」
「公共物を使って目立つとか最低」
など、批判が噴出しました。
イオンも動画を確認、マナー違反を注意喚起
イオン株式会社にこの件について確認したところ、広報担当者は動画を把握していると回答。
ロゴや背景から、自社店舗での撮影である可能性が高いとしたうえで、以下のように述べています。
「当社の店舗での撮影と思われますが、どの店舗かまでは特定できていません。警備会社や従業員が、こうした迷惑行為を見かけた場合は注意を行っております」
また、車椅子の貸出ルールについても、
「サービスカウンターで管理している店舗が多く、返却時には近くのカート置き場などへ返すことも可能です。その間にこのような行為が行われた可能性はあります。見かけた場合には直ちに注意・回収を行います」
と説明。あくまで「必要とするお客様がすぐに利用できるよう、自由度を保った管理をしている」としつつ、「不適切な利用を見かけた場合は、ぜひご一報いただきたい」と呼びかけています。
“注目されたい”が倫理を飛び越える時代に
SNSでは近年、「バズりたい」「面白く見せたい」という目的で、他人や公共物を巻き込む迷惑行為が増加傾向にあります。
しかし、本人たちは「ウケる」と思っていても、それを見た人すべてが笑顔になるとは限りません。むしろ、被害を受けた施設・サービスを必要とする人々にとっては、悲しみと怒りの種にしかならないのです。
公共物を“動画映え”の道具にしない。
当たり前のことを、今一度思い出したいところです。