北海道積丹町でクマ駆除が難航
北海道積丹町で、町議会議員の海田一時副議長(74)が、クマ駆除のために駆け付けた地元猟友会のハンターに対し、暴言を吐いたとされる騒動が、大きな波紋を広げています。この件を受けて、地元猟友会は約1カ月にわたりクマ駆除の出動を拒否するという異例の事態に発展しました。
渦中の海田副議長は、テレビ番組の取材に対し「僕は悪くない」と主張し、暴言の事実を一部否定・反論していますが、クマの出没が相次ぐ時期だけに、住民からは不安の声が上がっています。
騒動の発端は先月下旬、海田副議長宅の近くでわなに掛かったクマの駆除に、猟友会メンバーが複数で対応した際のことです。報道によると、海田副議長はハンターたちに対し、「こんなに人数が必要なのか」「金もらえるからだろう」「おれにそんなことするなら駆除もさせないようにする」といった趣旨の発言をしたとされています。これに反発した猟友会が、町に対し出動拒否を伝えました。
海田副議長は、ハンターの人数について「一番最初に言ったのは『こんなに13人も来ないと駄目なのか』と。それを言ったら『(クマを)引っ張ってみろ』ということなんですよ」と、人数が多いことへの疑問を呈したことは認めています。また、謝罪については「しない」「なんで謝らなければいけないの?」と強く反論しています。
このニュースが報じられると、SNSでは、クマ被害に悩む地域の現状を知るユーザーからの強い批判が相次ぎました。
「命がけで対応してくれている人たちに、報酬や人数について口出しするのはありえない」
「住民の安全よりも自分の立場を優先しているのか。現場をわかっていない」
といった、ハンターを擁護し、町議の対応を非難する声が印象的でした。さらに、
「クマが出ているのに駆除が拒否されるなんて、住民が一番かわいそう」
と、町民の安全を案じるコメントも見られ、騒動の長期化を懸念する声が上がっています。
海田副議長の「僕は悪くない」という反論の背景には、何かしらの行き違いや、自身の発言が正確に伝わっていないという思いがあるのかもしれません。しかし、SNSの反応が示しているように、「命がけで地域を守る人への敬意」を欠いたと受け取られるような言動は、公職にある人物として厳しく問われます。
この問題は、地域住民の生活の安全に直結するため、行政側による早急な事態収拾が求められています。














