ソウル市内で「中国は出ていけ」といったスローガンを掲げる反中デモが頻発
韓国政府は、2025年9月末から中国本土からの3人以上の団体旅行者に対し、ビザなしで15日間滞在を可能とする免除措置を試験的に開始しました。これは中国の大型連休である国慶節などを控え、中国人旅行者による消費拡大と中国との関係改善を図る狙いがあったとされています。
しかし、この政策が導入されて以降、ソウルの繁華街を中心に中国人観光客の増加に反対する「反中デモ」が頻繁に起こる事態となっています。デモ参加者たちは、「チャイナ・アウト(中国は出ていけ)」といった強い言葉を叫び、観光客の増加に伴うマナー違反や迷惑行為の増加に対する強い不満を表明しています。
デモやメディアの報道を受け、SNS上では中国人観光客の受け入れに関する様々な議論が交わされています。特に印象的なのは、デモ参加者やSNSユーザーから「日本がうらやましい」という声が多く上がっている点です。
「韓国のビザ免除でマナーの悪い観光客が一気に増えた。日本はすでにインバウンドで成功しているから、その経験をどう活かすのか教えてほしい」
「日本は爆買いだけじゃなくて、文化体験とか、質の高いサービスで観光客を惹きつけてる。それに比べて韓国は……」
「政府が経済効果だけを考えて、国民の感情や生活への影響を考えていない。『限韓令』で散々苦しんだのに、外交姿勢が甘いんじゃないか」
これらの声は、隣国である日本が長年にわたりインバウンド政策を推進し、多様な観光客を受け入れてきた経験と比較し、韓国政府の政策決定や観光客管理体制への不満を反映しているものと考えられます。韓国では以前、中国が韓国製品や文化に制限をかけた「限韓令」によって対中感情が極度に悪化した経緯もあり、経済的な依存と国民感情のバランスの難しさが浮き彫りになっています。
政府は経済活性化という明確なメリットを追求しましたが、それに伴う「観光公害」や「文化・マナーの衝突」といったデメリットへの国民の懸念を十分にくみ取れていなかった可能性があります。特に、ビザ免除という門戸を大きく開く政策は、観光客の質をコントロールすることが難しくなり、国民の生活圏での摩擦を生みやすくなります。
「日本がうらやましい」という声は、日本が観光客の増加に伴い、富裕層向けの高付加価値観光や地域分散といった、単なる人数増ではない「質」の向上を目指している姿勢が、韓国から見て成功例と映っていることを示唆しています。














