tend Editorial Team

2025.12.25(Thu)

「形見の着物なんて古い布だろ」と勝手に捨てた兄。しかし、着物が高価な品と知り顔面蒼白に【短編小説】

「形見の着物なんて古い布だろ」と勝手に捨てた兄。しかし、着物が高価な品と知り顔面蒼白に【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

形見をゴミ扱いする兄

母が亡くなって三ヶ月。私にとって唯一の心の支えは、母から譲り受けた一着の着物でした。しかし、同居する兄は違いました。

「おい、その形見の着物なんて古い布だろ? 邪魔だから早く捨てろよ」

兄の心ない言葉に私は何度も抗議しましたが、兄は鼻で笑うばかりでした。

ある日の夕方。仕事から帰宅すると、形見の着物がなくなっていました。

「お兄ちゃん! お母さんの着物は!?」

兄は面倒くさそうに私を一瞥しました。

「ああ、あのボロ布か。ゴミの日だったから捨てといたぞ。あんなゴミがなくなって、部屋もスッキリしただろ」

兄は悪びれる様子もなく、むしろ「良いことをしてやった」と言わんばかりの得意顔でした。

私は絶望したふりをして、その場に泣き崩れました。しかし実は、こうなることを予感していたのです。私は密かにゴミ置き場へ走り、着物を回収しました。

私の鮮やかな逆転劇

その翌日、家に呉服屋のご主人が訪ねてきました。母が生前、着物の相談をしたり、お世話になった方です。

「先日お電話で伺っていた着物の件、調べがつきました。あれは有名な作家の一点物で、鑑定額は八百万円を超えます」

その瞬間、聞き耳を立てていた兄のグラスが床に落ちて砕けました。

「は……八百万? あのボロ布が……?」

兄の顔はみるみる土気色に変わりました。

「ええ、美術品ですよ。お嬢さん、ぜひ拝見させてください」

兄は狂ったようにゴミ置き場へ駆け出しました。しかし、回収車はすでに立ち去った後でした。

絶叫する兄に、私は冷やかに告げました。

「安心して。お兄ちゃんが捨てた後、私が回収して別の場所に保管してあるから」

兄の目に卑しい希望が宿りました。

「本当か!? すぐ売ろう、折半でいいぞ!」

そんな兄に、私は引導を渡しました。

「いいえ、これは私のもの。お兄ちゃんが捨てたのは、お金じゃなくて家族の信頼よ」

顔面蒼白で崩れ落ちる兄を見下ろしながら、私は母の形見を一生守り抜こうと心に誓いました。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.05(Mon)

「えー、かわいい!これ着る!」買い物に失敗したと思った母。数年後、娘を見て笑った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「昨日のは、なんていう曲?」隣のお風呂の歌声を気にしていた私。だが、ママ友の一言で固まった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「Mなら余裕だよ」とサイズ表を見なかった私。だが、届いたジャケットを長男が着て分かった勘違い
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.01.14(Wed)

「捨ててあるからいいだろ」粗大ゴミを勝手に持っていく男。だが、男にくだった自業自得の天罰【短編小説】
tend Editorial Team

2026.05.04(Mon)

「また無視ですか」挨拶しても返事すらしない同僚。だが、社内異動後の同僚の姿に思わず本音が溢れた
tend Editorial Team

2025.12.10(Wed)

「休日も絶対にメール見ろよ」と無理を言う上司。だが、新人の行動で顔面蒼白に…一体何が【短編小説】
tend Editorial Team