
デジタルで支援が勝手に届く世界は本当に幸せか、安野貴博氏が語るプッシュ型行政の理想と現実
日曜夜の茶の間が、一瞬だけ近未来の実験場と化したようです。15日放送のフジテレビ系「Mr.サンデー」に出演したチームみらい党首、安野貴博参院議員。35歳という若さで国政に新風を吹き込んだ彼が語ったのは、テクノロジーによって支援が勝手に届くという、まるで魔法のような世界観でした。宮根誠司氏からの直球の問いに対し、安野氏は、給付金は申請しなくても手元にどんどん振り込まれる仕組みが可能だと、迷いなく言い切りました。
確かに、煩雑な書類作成や役所の長い待ち時間に辟易している人々にとって、この提案は福音に聞こえるかもしれません。これまでは事務作業の限界で不可能だったことが、今のデジタル技術なら実現できる。その自信に満ちた言葉は、これまでの重厚長大な政治にはなかった軽やかさを感じさせます。しかし、効率化の代償として私たちが差し出すものの大きさを、彼は少し楽観的に捉えすぎているのではないでしょうか。
安野氏は、個人情報の漏えいに対する懸念について、実際に使って利便性を体感すれば誤解も解けると主張しました。マイナンバーカードを例に挙げ、年金額が一瞬で分かる便利さを説きましたが、これは少々強引な論理の飛躍に思えてなりません。便利であれば、プライバシーのリスクには目を瞑れと言わんばかりのトーンは、合理性を追求するあまり、人間が本能的に抱く不可侵な領域への警戒心を軽視しているようにも映ります。
SNS上でも、この新世代政治家のビジョンに対しては激しい賛否が渦巻いています。
『勝手に振り込まれるのは助かるけど、その分、自分の資産や行動をすべて国に把握されるのは薄気味悪い。』
『デジタル化を推進するのはいいが、トラブルが起きた時の責任の所在が曖昧なまま突き進むのは怖すぎる。』
『若いから期待していたけど、結局はマイナンバーを押し付けたいだけの中身に見えてがっかりした。』
『役所に行かなくて済むなら最高。今の不便さを放置するより、リスクを取ってでも進めてほしい。』
期待と不安が複雑に絡み合う中、安野氏の語る世界観は、かつてのSF映画が描いたような管理社会の風景と紙一重です。国民が求めているのは、単なる手回しの良さではなく、自分のデータがどう扱われるのかという透明性と、それに対する絶対的な安心感です。
そこを飛び越えて利便性ばかりを強調する姿勢は、ともすれば独善的なテクノロジーの押し売りになりかねません。














