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2026.09.28(Mon)

「遺産って結局いくら残ったの?」遺産の額を何度も聞く親戚。だが、義父が口にした短い返事

「遺産って結局いくら残ったの?」遺産の額を何度も聞く親戚。だが、義父が口にした短い返事

法要後の食事で、突然出たお金の話

数年前、夫の祖父の七回忌がありました。法要を終えたあと、親族15人ほどがそのまま残り、長机を囲んで食事をすることになりました。

仕出しの弁当が並び、最初は祖父の思い出話をしながら穏やかに過ごしていました。

子どものころにしてもらったことを話す人もいて、ときどき笑い声も上がっていました。

そんな中、親戚の一人がふいに口を開きました。

「そういえば、遺産って結局いくらくらい残ったんだっけ?」

さっきまで続いていた会話が、そこで止まりました。

近くにいた親戚が困ったように声を落とします。

「ちょっと…今ここでする話じゃないでしょう」

けれど、質問した本人はそれほど気にしていない様子でした。

「いや、今後の参考にと思ってさ」

私は思わず手を止めました。周りを見ても、何と返せばいいのか分からないような空気になっていました。

そこで、施主だった義父が静かに答えました。

「まあ、大した額じゃないよ」

それで終わるのかと思ったのですが、親戚はさらに聞きました。

「え、でも具体的にはどれくらい?」

同じ返事をした義父に、それ以上の質問はなかった

私は義父がどう返すのか気になって、黙って見ていました。

義父は怒った様子もなく、声を荒らげることもありませんでした。

少し間を置いて、先ほどとほとんど同じ調子で言いました。

「だから、大した額じゃないよ」

二度目の返事が出ると、質問した親戚もそれ以上は聞きませんでした。

周囲からも言葉は出ず、しばらく静かな時間が流れました。湯呑みを置く小さな音だけが聞こえたのを覚えています。

やがて別の親戚が、次の法事についての話を始めました。そこから少しずつ会話が戻り、遺産の話が再び出ることはありませんでした。

質問した親戚もそのまま最後まで席にいて、帰りにはいつも通り挨拶をしていました。誰かが強く注意したり、席から追い出したりしたわけではありません。

帰り道、夫がぽつりと言いました。

「親父、ああいうとき上手だな」

私はうなずきました。

「うん。二回とも、ほとんど同じことしか言ってなかったね」

はっきり「答えません」と突っぱねたわけでも、相手を責めたわけでもありません。それでも、同じ返事を繰り返したことで、それ以上話を広げる余地がなくなったように感じました。

あの日のことを思い出すたび、答えたくない質問には、無理に説明を重ねなくてもいいのかもしれないと思います。

私自身もそれ以来、答えにくいことを何度も聞かれたときは、一度伝えた返事を変えずに繰り返すことがあります。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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