「そこで寝るんだ」夜の電車で目を覚ました私。だが、思わず私が苦笑した理由
目を覚ますと、向かいの座席に
去年の夏の夜のことです。出かけた帰り、私は一緒にいた人と電車に乗っていました。
車内は静かで、座席にはところどころ空きがあります。立っている人もいませんでした。
これから一時間ほど乗る予定だったうえ、私もかなり眠かったので、席に座るとそのまま目を閉じました。
途中で一度、ふと目が覚めました。
ぼんやりしたまま顔を上げ、向かいの座席を見たときです。
そこには、靴を履いたまま座席に横になって眠っている人がいました。
「え、そこで寝るんだ…」
思わず目を疑いました。電車で眠ってしまうこと自体は珍しくありません。
実際、私も寝ていました。ただ、靴を履いたまま座席に横になる姿を見ると、さすがに気になります。
せめて座ったまま寝ればいいのに。
そう思ったものの、私は声をかけませんでした。車内にはほかにも何人か乗っていましたが、特に何かが起きることもなく、静かなままです。
結局、私も再び目を閉じてしまいました。
終点で、駅員さんがかけた二度の声
次に目を覚ましたとき、電車は終点に着いていました。
扉が開き、駅員さんが車内を確認しながら入ってきます。
向かいを見ると、あの人はまだ座席で眠っていました。
駅員さんがそばまで行き、穏やかに声をかけました。
「終点ですよ」
すぐには反応がありません。
駅員さんは少し待ってから、もう一度声をかけました。
「終点ですよ」
すると、その人はようやく体を起こしました。床に足を下ろすと、特に何かを言うこともなく、そのまま扉の外へ出ていきました。
私は座席から、その背中を見ていました。
ホームに降りたあと、一緒にいた人がぽつりと言いました。
「よく寝てたね」
「まあ、こっちも寝てたけどね」
「でも、ちゃんと座ってたでしょ」
「そこは大きな違いだね」
顔を見合わせて、少し笑いました。
あの夜のことを思い出すと、座席で横になっていた姿と同時に、駅員さんの二度目の声で起き上がった場面が浮かびます。
あのとき私は、「せめて座って寝てほしい」と思いました。それでも、自分から起こそうとはしませんでした。
同じ電車でぐっすり眠っていた身なので、あまり偉そうなことも言えません。
それ以来、夜の電車で眠くなったときは、終点に着く時刻を確認してから目を閉じるようにしています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














