「あの家なんて、5000円だったって話よ」葬儀後に香典の額を何度も聞いてきた親戚。次の法事で私が会話の輪から離れた理由
葬儀の数日後、親戚からかかってきた電話
夫の親戚の葬儀は、滞りなく終わりました。香典については事前に夫と相談し、二人で決めた額を包んで出かけました。
それから数日たった平日の夜、葬儀に来ていた親戚から電話がかかってきました。
最初は天気や喪主の家の話をしていましたが、しばらくすると話題が香典に変わりました。
「そういえば、そちらはいくら包んだの?」
突然聞かれ、私は少し返事に迷いました。
「うちは、家で相談して決めましたよ」
金額までは言わずに答えましたが、相手は引きません。
「だから、いくらだったの?別に言いにくいことじゃないでしょう。うちは前と同じにしたのよ」
どうやら、聞きたいのはうちの金額そのものだったようです。
やがて親戚は、ほかの家の話まで始めました。
「あの家なんて、5000円だったって話よ」
「そこまで分かるんですか?」
思わず聞くと、親戚は何でもないことのように答えました。
「受付を手伝ってたから、見えるものよ。別に悪気があって言ってるんじゃないの」
それ以上話を広げたくなくて、私は適当なところで電話を切りました。
そのあと夫に電話の内容を伝えると、夫も少し困った顔をしました。
「そこまで人の金額を気にしなくてもいいのにな」
次の法事では、会話の輪に入らなかった
その夜、私たちは今後の香典について改めて話しました。
これまでも二人で相談して決めていましたが、そのたびに迷わないよう、今後は間柄ごとの目安をあらかじめ二人で決めておくことにしました。
「間柄ごとに書いておこうか。ほかの家がいくらだったかは、気にしなくていいよね」
「うん。うちの中で決めておけば、それでいいと思う」
ノートに間柄、金額、日付を書けるようにし、香典を出したときに記録を残すことにしました。
次の法事は、秋の彼岸に合わせて行われました。
広間に膳が並ぶ前、あの親戚がまた香典の話を始めました。
「今回も、包んだ額にずいぶん差があったみたいでね」
私はその輪には入らず、廊下側の卓で子どもの上着をたたんでいました。夫も箸置きを並べながら、話には加わりませんでした。
周囲からも特に返事はなく、親戚の話だけがしばらく続きました。
そこへ隣の間から別の親族が顔を出しました。
「そろそろお膳ですよ。皆さん、席へどうぞ」
その声をきっかけに人が動き始め、香典の話もそこで途切れました。
私も夫も、誰かの家の金額を聞くことはありませんでした。自分たちの家のことは、自分たちで決める。それだけで十分なのだと、改めて思った出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














