「そんな対応するなら、口コミに書くからな」電話で怒鳴る客。震える私に代わり、上司が告げた一言
名前を出せと迫られた午後
ネット通販の会社で、電話対応をしていたときのことです。
届いた商品についての問い合わせは一日に何十件もあり、私はヘッドセットをつけたまま、注文画面と応対記録を確認していました。
その電話は、商品を受け取ったという男性からでした。
「どういう検品をしてるんだ」
強い口調でそう言われ、私が商品の状態を伺おうとすると、すぐに言葉を重ねられました。
「検品した人間の名前を教えろ」
「申し訳ございませんが、担当者の名前はお伝えしておりません」
「なんでだよ。隠す必要ないだろ。名前を教えろ」
先ほどと同じ要求を、さらに大きな声で繰り返されました。
私がもう一度説明しようとすると、男性の怒りは収まりません。
「そんな対応するなら、口コミに書くからな」
さらに「会社を潰すぞ」という言葉まで飛び出し、それも繰り返されました。
画面の文字を追おうとしても、うまく頭に入ってきません。
キーボードに置いた指先が震え、応対記録を打つこともできなくなりました。
私はなんとか「確認いたしますので、少々お待ちください」と伝え、通話を保留にしました。
代わった上司が静かに伝えたこと
席を立って上司のところへ行き、男性から言われたことをそのまま伝えました。
上司は「分かった。代わるね」と短く言い、通話を引き継ぎました。
「お待たせいたしました。承ります」
すると男性は、すぐに声を荒らげました。
「さっきの人じゃ話にならない。検品した人の名前を」
上司は声を荒らげることなく答えました。
「恐れ入りますが、担当者個人の名前はお伝えしておりません。また、この通話は応対品質のため録音させていただいております」
男性の声が一瞬止まりました。
上司はそのまま、落ち着いた口調で続けます。
「商品については、新しいものを本日発送いたします。ただ、先ほどのようなお言葉が続く場合は、お電話を終了させていただきます」
受話器の向こうで男性が何か言いかけました。
それでも上司は声の調子を変えません。
「申し訳ありませんが、そのようなお言葉が続く場合は、通話を終了いたします」
しばらく沈黙したあと、男性から返ってきたのは短い言葉でした。
「…じゃあ、早く送って」
その後、通話は男性のほうから切れました。
上司はヘッドセットを外すと、私を見て言いました。
「怖かったね。ちゃんと保留にしてくれてよかったよ」
私はまだ緊張が残っていて、うなずくことしかできませんでした。
新しい商品の発送手続きを終えるころには、震えていた指先も少しずつ落ち着いていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














