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2026.09.22(Tue)

「給料が遅れてるんだ」兄を信じて貸した40万円。だが、兄の仕事の思わぬ事実が発覚

「給料が遅れてるんだ」兄を信じて貸した40万円。だが、兄の仕事の思わぬ事実が発覚

給料が遅れていると言い続けた兄

30代の私には、少し年の離れた兄がいる。実家から通勤していた兄に、何度かに分けてお金を貸したのは去年のことだ。

1回ごとの額はそれほど大きくなかったものの、気づけば合計40万円になっていた。

最初に頼まれたとき、兄は少し言いにくそうに切り出した。

「悪いんだけど、ちょっと貸してくれない?今月、給料が遅れてるんだ。来月には返せるから」

私は迷ったものの、兄がそこまで困っているならと思い、お金を振り込んだ。

ところが、その後も返済は始まらなかった。

しばらくして、またお金を頼まれたとき、私はさすがに聞いた。

「前に貸した分も、まだ返ってきてないよね?」

兄は困ったように顔をしかめた。

「分かってるよ。でも今月も給料が遅れてるんだって。俺だって、こんなこと頼みたくないよ」

同じ理由を聞くのは、これで2度目だった。

「本当に来月は大丈夫なの?」

「大丈夫。ちゃんと返すから」

そう言われると、それ以上は聞けなかった。

兄が嘘をついているとは思いたくなかったし、家族だから助けたいという気持ちもあった。何度か貸すうちに、合計額は40万円になっていた。

私は念のため、振り込んだ日と金額だけは手帳に残すようにしていた。

そんな秋のある日、母から電話がかかってきた。

「ねえ、お兄ちゃんから仕事のこと、何か聞いてる?」

「仕事?給料が遅れてるとは聞いてるけど」

電話の向こうで、母が少し黙った。

「さっき仕事のことを聞いたらね…会社、少し前に辞めてたんだって」

私は思わず聞き返した。

「辞めてたって…どういうこと?」

「私も知らなかったの。毎朝いつも通り家を出てたから、仕事に行ってると思ってた」

そこで初めて、兄が退職したことを家族に言えないまま、それまでと同じように朝になると家を出ていたことを知った。

頭に浮かんだのは、これまで貸した40万円だった。

「じゃあ、私にお金を借りてたときは…」

「そこまでは私にも分からない。でも、お金のことはお父さんにも話したほうがいいよ。あなた一人で抱えることじゃないから」

母にそう言われ、私は父に40万円を貸していることを初めて話した。

父は驚いた顔をしたものの、途中で口を挟まず、最後まで話を聞いていた。

そして、「土曜に一度、兄さんとちゃんと話そう」と言った。

「来月」を「毎月」に変えた父の一言

土曜の夕方、私は実家へ向かった。

食卓には父と兄が座っていた。兄は落ち着かない様子で、私が座るとすぐに話し始めた。

「分かってるよ。返さないなんて言ってないだろ。40万円のうち20万円は、来月にはなんとかするから」

私は思わず聞き返した。

「来月って、本当に大丈夫なの?」

「大丈夫だって。だから、もう少し待ってくれよ」

そう言う兄の声には、焦りがにじんでいた。

父はしばらく黙っていたが、湯のみを置くと静かに口を開いた。

「無理に来月って言わなくていい」

兄が顔を上げた。

「でも……」

「今、本当に返せる金額を考えなさい。いつから、毎月いくら返すのか。それを書こう」

父はそう言って、メモ帳から1枚ちぎり、ペンと一緒に兄の前へ置いた。

兄は紙を見たまま、しばらく動かなかった。

父が続けた。

「それと、仕事のことも曖昧にしたままじゃだめだ。今どういう状況なのか、ちゃんと話しなさい」

しばらくして、兄が小さな声で言った。

「…会社、少し前に辞めた。なかなか言えなかった」

「どうして?」

父が聞くと、兄は目を伏せた。

「心配されると思ったし……次の仕事を見つけてから言えばいいと思ってた」

父は少し間を置いた。

「言いにくかったのは分かった。でも、返せる時期まで曖昧にしたままじゃ、お互い困るだろう」

兄は何も言わず、小さくうなずいた。

「一度に返せとは言わない。返せる金額を決めて、それだけは守りなさい」

兄はようやくペンを取り、「毎月2万円ずつ、20回で返します」と書いた。

書き終えると、少し考えてから日付と名前も書き入れた。

父は紙を確認し、私のほうへ差し出した。

「これはお前が持っておきなさい。あとは、書いたとおりに返していけばいい」

兄も私を見た。

「……悪かった。ちゃんと返す」

私はすぐに「もういいよ」とは言えなかった。

「うん。じゃあ、決めたとおりにお願い」

そう答えると、兄はもう一度うなずいた。

ほどなくして、兄は次の仕事を見つけた。

翌月からは、毎月2万円ずつ私の口座へ振り込まれるようになった。入金を確認するたび、私は父から預かった紙に小さく印をつけている。

40万円がすべて戻るまでには、まだ時間がかかる。

それでも、「来月には返す」という言葉だけを待っていたころとは違う。いつ、いくら返すのかを決めたことで、ようやく兄とのお金の問題が動き始めたように感じている。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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