「うるさかったら言ってください」と越してきた上の階。直接苦情を言わず、管理会社に相談した結果
「うるさかったら言ってください」と言われたけれど
上の階に子どものいるご家族が越してきたのは、数年前のことです。
挨拶に来た奥さんは、「子どもがいるので、足音が下に響くかもしれません。うるさかったら言ってください」と、気にする様子で話していました。
50代の僕は、その気づかいがありがたく、「お互いさまですから」と返しました。
ところが、暮らし始めて間もなく、夜になると上から大きな音が聞こえるようになりました。
走り回るような足音や、床に何かが落ちたような音。寝る支度を始めても、天井からドタドタと響く日があります。
「今日も結構するわね」
妻が天井を見上げました。
「もう9時過ぎか……」
毎日ではありません。だからこそ、実際にどのくらいの頻度なのか知りたくなり、僕は音が気になった日に手帳へ印をつけることにしました。
ひと月ほど続けてみると、夜9時を過ぎても大きな足音が響く日は、ほぼ週3回ありました。
手帳を見ながら、管理会社へ相談した
引っ越しの挨拶では「言ってください」と言われていました。それでも夜に直接訪ねるのはためらわれます。
顔を合わせた勢いで、こちらも感情的な言い方になってしまうかもしれない。そう考え、まず管理会社へ相談することにしました。
電話口で手帳を開きながら伝えます。
「夜9時を過ぎても足音が響く日が、週に3回くらいあるんです」
担当者は確認すると、「分かりました。お部屋を特定しない形で、全戸にお知らせを入れます」と答えました。
数日後、集合ポストに一枚の紙が入っていました。
夜間の足音や飛び跳ねるような音は下の階へ響きやすいため、生活音に配慮してほしいという内容です。全戸への案内なので、上の階にも同じ紙が入っているはずでした。
その後、音は少し減りました。
ただ、完全になくなったわけではなく、夜9時を過ぎてから聞こえる日が週に2回、3回と続くこともありました。
エレベーターで伝えた一言
ある日の夕方、買い物から戻って1階でエレベーターを待っていると、上の階の奥さんがやって来ました。
一緒に乗り込み、扉が閉まったところで、僕は思い切って声をかけました。
「前に、うるさかったら言ってくださいって言ってもらったので……。夜9時を過ぎても、足音が響く日が週に3回くらいあるんです」
奥さんは少し驚いたように僕を見ました。
「……そうだったんですね。すみません。ポストのお知らせ、もしかしてうちのことかなとは思っていて」
そう言って、頭を下げました。
「昼間はそこまで気にならないんです。遅い時間だけ、少し気をつけてもらえたら助かります」
僕がそう返すと、奥さんはもう一度「分かりました。気をつけます」と答えました。
翌週の日曜には、上の階から何かを床に広げたり、位置を直したりするような音がしばらく聞こえました。
それ以降、夜遅くまで大きな足音が続く日は目に見えて減り、手帳に印をつけることもほとんどなくなりました。
ひと月ほどたったころ、妻が手帳をのぞき込みました。
「最近、全然ついてないね」
「うん。静かになったな」
直接言うのは気が重かったものの、記録を取って管理会社に相談し、顔を合わせたときには落ち着いて伝えることができました。
静かな天井の下で、久しぶりに音を気にせず夜を過ごせたのを覚えています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














