昼過ぎの掃除機に「うるさい」と言いにきた下の階の奥さん。その後、私が見た光景に感じた違和感とは
昼過ぎに鳴ったチャイム
私の部屋は、アパートの2階の角にあります。初めての一人暮らしで、掃除機をかけたり洗濯物を干したりするだけでも、自分の暮らしが始まったようでうれしく感じていました。
春になり、真下の部屋へ60代くらいの夫婦が引っ越してきました。
玄関先で初めて挨拶をしたとき、奥さんは私の部屋のほうを見上げました。
「角部屋って明るくていいですね」
「はい。それもあって、この部屋に決めたんです」
「そうなんですね。これからよろしくお願いします」
隣にいたご主人も、穏やかに頭を下げていました。
それからしばらくした、ある日の昼過ぎです。仕事が休みだった私は、洗濯物を干したあとに掃除機をかけていました。
すると突然、チャイムが鳴りました。
ドアを開けると、下の階の奥さんが一人で立っています。
「掃除機の音がうるさくて」
「あ…すみません。昼間なら大丈夫かなと思っていました」
奥さんはそれ以上何も言わず、そのまま階段を下りていきました。
時計を見ると、午後1時を少し回ったところでした。
それ以来、私は昼過ぎを避け、掃除機は夕方の早い時間にかけるようになりました。
挨拶のあと、またチャイムが鳴った
その夜、実家の妹に電話をしました。
「今日さ、下の奥さんが来たんだ」
「何かあったの?」
「掃除機の音がうるさいって、でも怒鳴られたわけじゃないんだよね。ずっと笑顔だったし」
「そっか…。でも、また何かあったら話してね」
電話を切ったあとも、私はなんとなく落ち着きませんでした。
それから、ゴミを出して部屋へ戻るとき、下の階の窓のカーテンが動くのが目に入ることがありました。
ただ風で揺れただけかもしれませんし、奥さんが窓の近くにいただけかもしれません。
気にしすぎないようにしていたのですが、ある朝、ゴミを出した帰りに下の階の窓のそばで奥さんの姿が見えました。私は軽く会釈をして、そのまま2階の自分の部屋へ戻りました。
ところが、部屋に入って間もなくチャイムが鳴りました。
ドアの前にいたのは、また奥さんでした。
「さっき、ご挨拶したんですけど、お返事がなかったので」
「あ、すみません。会釈はしたつもりだったんです」
「そうだったんですね」
奥さんはにこやかにうなずくと、階段を下りていきました。
ふと下を見ると、階段の下にはご主人が立っていて、こちらを見上げていました。
翌日、部屋を借りた不動産会社にも電話で相談しました。担当者は話を聞いてくれましたが、今のところ具体的な被害があるわけではないため、もう少し様子を見てほしいとのことでした。
夫婦から怒鳴られたり、直接何かをされたりしたわけではありません。
それでも私は今も、ゴミを出して2階へ戻るとき、以前より足音を立てないよう気をつけています。
今日もゴミを出して戻ると、下の階の夫婦が自分たちの部屋のドアの前に並んで立っていました。
私が階段のほうへ向かうと、二人は笑顔でこちらを見ました。
偶然そこにいただけなのかもしれません。それでも、私は小さく会釈をして、静かに階段を上りました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














