「レジに並べっていうの?」寿司店で順番を飛ばそうとした女性客、脅された高校生店員が返した正論
作業台の前から届いた注文
高校生の店員はレジの注文順に寿司を用意します
高校生の頃、私はデパ地下の持ち帰り専門の寿司店でアルバイトをしていました。お客様にはレジ前に並んでいただき、順番に注文を伺う店でした。
その日もレジには列ができていて、私は作業台で寿司を用意していました。ところが、年配の女性が列に入らず、私の目の前に来たのです。
女性は作業中の私へ、そのまま注文を始めました。私は手を止めて、注文を伺う場所をご案内しました。
女性客は列に並ぶよう案内されて不満を示します
「ご注文はレジからお願いします」
私は列のほうを示しました。ところが女性は動かず、顔を険しくしました。案内が聞こえなかったのかと思った私は、もう一度、順番に伺っていることを説明しました。
「レジに並べっていうの?」
女性の声が強くなりました。レジの前には、同じように寿司を買うために待っているお客様がいます。それでも女性は、私から注文を通そうとしていました。
女性客は自分も店を経営していると告げます
「私だって店を経営しているのよ」
女性はそう言うと、私を見据えました。私は一瞬、返事に詰まりました。まだ高校生で、目の前の大人から強い調子で言われるだけでも、体がこわばったのです。
けれど、店を経営していることと、この店で先に注文できることは別だと思いました。私がここで注文を受ければ、列にいるお客様を飛ばすことになります。
「皆さん並ばれています」
買わないと言われても
女性客は買わないと言って店員へ強く迫ります
私はレジのほうへ手を向けました。すると女性は、さらに語気を強めました。
「上に言いますよ。買わないわよ」
私は息をのみました。上の人に言われたら、叱られるかもしれません。けれど、怖いからという理由で、待っている方の順番を変えるわけにはいきませんでした。
私は手を下ろして、女性を見ました。案内の言い方は丁寧にしても、注文を受ける順番まで変える必要はないはずです。
店員は購入の有無で順番は変わらないと答えます
「それでも、先にお待ちのお客様を飛ばすことはできません」
私は声を張り上げずに答えました。女性は眉を上げ、私の顔を見直しました。それから口を開きかけましたが、次の言葉は出てきませんでした。
買わないと言えば慌てて受け付ける。そう思われていたのかもしれません。けれど、私はもう一度、レジに並んでいただくよう伝えました。
女性は列のほうを見てから目をそらし、その場を離れていきました。
店員は列の順番を守って次の寿司を用意します
私は作業台へ戻りました。答えたあとも、胸はまだどきどきしていました。それでも、列の先頭から注文が進むのを見て、ほっとしました。
特別に扱ってもらいたかった女性の注文で、先に待っていたお客様を後回しにせずに済んだのです。
「お待たせしました。順番にお作りします」
私は次の注文に手を動かしました。相手がどんな立場でも、守るべき順番は変わらない。あのときの判断を、今でも覚えています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














