「通帳を見せたのはおばさんよ、私は悪くない」祖母から30万円を受け取った親戚が、祭りの夜に口をつぐんだ理由
祖母の通帳に残っていた、気になる記録
一人暮らしの祖母に頼まれ、屋根の修理代の手続きを手伝ったときのことです。
銀行で通帳を記帳すると、思っていたよりも残高が少なく、私は驚きました。
祖母は普段から質素に暮らしていたので、何かあったのではないかと心配になったのです。
「おばあちゃん、何か大きな買い物でもしたの?」
家に戻って尋ねると、祖母は湯のみを両手で包みながら、何年か前の出来事を話し始めました。
その日、遠くの県に住む祖母の姪が訪ねてきたそうです。私の母にとっては、いとこにあたる女性です。
生活に困っていると泣きながら頼まれ、祖母は10万円だけ貸すことにしました。
ところが、一緒に銀行へ行ったときのこと。祖母が窓口で通帳を開くと、女性が横から残高をのぞき込んだのです。
「あら、こんなにあるじゃない。30万円くらい貸してくれてもいいでしょ?」
「えっ、10万円って話だったでしょう?」
「すぐ返すんだから。ほら、後ろも待ってるし」
祖母は断りきれず、結局30万円を引き出して渡してしまったそうです。
しかし、その後は返済も連絡もありませんでした。
電話番号も分からなくなっていたといいます。
「もういいのよ。今さら言ってもね…」
祖母は寂しそうに笑いました。
ところが、その女性は毎年、祭りの時期だけは顔を出しているらしいのです。
私は母に事情を話しました。
祖母の生活は、これから家族で支えていかなければなりません。母も納得できない様子でした。
祖母の引き出しからは、当時のやりとりが書かれたメモが見つかりました。
さらに祖母と銀行へ行き、当時の引き出し記録も確認しました。
祖母が話してくれた日に、30万円が引き出されていたのです。
祭りの夜、兄が妹に向けた厳しい言葉
祭りの夜、私と母は本家を訪ねました。
座敷には、祖母からお金を借りた女性と、その兄がいました。兄は本家の主人です。
「あら、2人そろってどうしたの?」
女性は普段どおりの笑顔を見せました。しかし、母が祖母のメモと銀行の記録を座卓に置くと、表情が変わりました。
「母から聞いたんです。最初は10万円の約束だったそうですね」
母がそう切り出すと、女性はすぐに言い返しました。
「通帳を見せたのはおばさんよ、私は悪くない」
私は思わず口を開きました。
「でも、10万円の約束だったんですよね。どうして30万円になったんですか?」
「だから、決めたのはおばさんでしょ!それに、こんな昔の話、今すること?」
女性の声が大きくなりました。
母は慌てずにメモを指さしました。
「母は10万円を貸すつもりだったんです。でも、実際に渡したのは30万円だったと聞いています。銀行の記録も、引き出した金額は30万円です」
それまで黙っていた女性の兄が、座卓の記録を手に取りました。
「ちょっと待て。お前、おばさんから30万円も借りたのか?」
「いや、それは…」
「借りたんだな?それで、返したのか?」
女性は口を開きかけましたが、何も言わずに目をそらしました。
母が紙とペンを差し出しました。
「返すつもりがあるなら、毎月いくら返すのか、ここに書いてください」
女性はしばらくうつむいたあと、「毎月1万円」と書きました。
兄はその紙を母に渡し、妹に向かって言いました。
「約束したんだからな。1回でも返済が遅れたら、もうこの家の祭りには顔を出すなよ」
女性は何も言い返しませんでした。
すべてが解決したわけではありません。実際に返してもらえるかは、これからの話です。
それでも、祖母が長年口にできずにいたことを、ようやく本人に伝えられました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














