「正直、お弁当会はあなた来ない方がいいかも」私だけ外していたママ友グループ。だが、そっと身を引いた結果
送り迎えの笑顔
娘が入園してすぐ、私は同じクラスの数人のママと親しくなった。
知らない土地での子育ては、不安なことばかりだった。
だから、気さくに話しかけてくれるその輪は、心強い支えになった。
「困ったことがあったら、何でも聞いてね」
中心にいるママは面倒見がよく、私はすっかり頼りきっていた。
「ありがとうございます。心細かったので、うれしいです」
持ち物のこと、行事のこと、分からないことを聞けば、いつも笑顔で教えてくれる。この人たちがいれば大丈夫だと、私は信じていた。
ところが数か月が過ぎたころ、その関係に、見えない線が引かれ始めた。
私だけがいない写真
週末のSNSに、楽しそうなお弁当会の写真が並んでいた。
集まっていたのは、いつものメンバー。けれど、そこに私の姿はなかった。
誘われた覚えのない集まりだった。しかも、それは一度きりではなかった。
月に何度か、私を外した集まりが、当たり前のように開かれていた。
翌朝、送り迎えで会うと、みんな普段どおりの笑顔で挨拶してくる。
「おはよう、昨日は暑かったね」
それなのに、私がその輪に加わろうとすると、会話がふっと途切れる。何度も、同じことが繰り返された。
笑い声のなかへ一歩踏み出すたび、空気がすっと固くなる。その一瞬が、じわじわと私を追いつめた。
思いきって、中心のママに軽く尋ねてみた日があった。
「今度のお弁当会、私も行っていいですか」
返ってきたのは、静かで、はっきりした一言だった。
「正直、お弁当会はあなた来ない方がいいかも」
理由は、最後まで教えてもらえなかった。
何が気に障ったのか、思い当たることもない。ただ、線の向こう側にいるのは、いつも私だった。
そっと身を引いて
子ども同士は仲が良く、私は娘の居場所を守りたかった。だから、問い詰めることはしなかった。
その代わり、無理に輪へ入ろうとするのを、きっぱりやめた。
(私の居場所は、あの輪の中じゃない)
誘われない集まりを数えるのも、SNSを開いて落ち込むのも、もう終わりにする。
降園後は娘と手をつなぎ、二人で寄り道をして帰る。
「ママ、今日ね、お砂で大きなお城つくったの」
「見たかったなあ。明日は写真に撮らせてね」
不思議と、あれほど重かった気持ちが、日ごとに軽くなっていった。
送り迎えでは、誰にでも変わらず笑顔で挨拶をする。ただ、追いかけるのはもうやめた。
「ママとお散歩、いちばん好き」
娘の小さな手のぬくもりが、今の私にはいちばん確かなものだった。大人の輪より、この時間を選んでよかった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














