「お礼のお菓子も、ないのね」子供を押し付けるママ友。だが、本音を伝えた結果
子どもだけを置いて帰る
同じ幼稚園の子が、うちで遊びたいと言うようになりました。相手の親とは面識も薄く、その子の家がどこかも知りません。
初めて預かった日、母親は玄関先で子どもを下ろすと、慌ただしくそう告げました。
「六時には戻りますので」
あがることも、我が家の場所を確かめることもありません。
「あの、お子さんのアレルギーとかは…」
私が尋ねかけたときには、もう彼女は車に乗り込んでいました。まだ小さな年中の子を、ほとんど知らない家に、ぽんと置いていったのです。
それから、その子は毎回うちに来るようになりました。相手の家にお邪魔したことは、一度もありません。
「今日も、ここで遊んでいいって、ママが」
玄関に立つ子どもは、いつも一人でそう言います。
迎えは決まって約束より遅れ、連絡もありませんでした。
外はもう暗くなり始めているのに、彼女からの一報もありません。玄関先で子どもと二人、道の先を眺めて待つ。まだ小さな子を、そうして毎回押しつけられることに、私はだんだん疲れていきました。
一度も、お礼はなかった
あるとき、ふと気づいてしまったのです。
「お礼のお菓子も、ないのね」
手土産どころか、ありがとうの一言すら、彼女の口から聞いたことがありませんでした。
預かって当然、とでもいうような態度だったのです。
「今日はうちで見てもらえて助かった、くらい言ってくれてもいいのに」
そんな当たり前の一言さえ、期待するだけ無駄でした。
回を重ねるほど、彼女の中では預けるのが当然になっているようだったのです。
その日も、彼女は三十分以上遅れてやってきました。私は思い切って、正面から伝えることにします。
「お約束の時間は、守っていただけますか」
彼女は、きょとんとした顔をしました。
「毎回うちでばかりですし、ひと言もなく遅れられると、こちらも困るんです」
その言葉に、彼女の表情がこわばりました。
「…そんなに、迷惑だったの」
迷惑かどうかではなく、お互いさまの礼儀の話です。そう静かに返すと、彼女は口を開きかけ、結局は何も言えずに目を落とします。
送り迎えで一緒になった別のママが、そっと声をかけてくれました。
「言いにくいこと、よく言ったね」
同じように、内心もやもやしていた人は、私だけではなかったようです。
それからは、子どもだけを置いていくことはなくなりました。私も、あえて深くは付き合いません。園で顔を合わせれば、軽く会釈をするだけ。ちょうどいい距離に落ち着いて、気持ちはずっと楽になったのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














