tend Editorial Team

2026.07.16(Thu)

「1万円も取るなんて、冷たい」子供を押しつけるママ友。だが、一時間2000円の託児料を告げると、慌てて連れ帰った

「1万円も取るなんて、冷たい」子供を押しつけるママ友。だが、一時間2000円の託児料を告げると、慌てて連れ帰った

専用の無料託児所

週末になると、うちの玄関には決まってあの親子が現れた。

幼稚園が同じ、近所のママ友。

約束もないのに子どもを置いて、自分だけ出かけていく。

「ちょっと用事だから、夕方までよろしく!」

断る隙もなかった。

行き先も、帰る時間も告げないまま、彼女はいつも足早に去っていく。

残されるのは、私と、預けられた子ども。

先週も、玄関で靴を脱がせる間もなく彼女は消えた。

夕方まで連絡ひとつなく、うちの子と二人分のおやつを出しながら、私はまた飲み込んだ。

今度こそ言おうと思っては、言えずに終わる。その繰り返しだった。

最初は「困ったときはお互いさま」と思っていた。

でも、お互いさまだったことは一度もない。私が子どもを頼んだことなど、ただの一度もなかったのだから。

同じことをされていたママから、こっそり聞いたこともある。

「あの人、うちにも押しつけてくるの。断ると、あからさまに不機嫌になるのよね」

「わかります。私も、ずっと言えなくて」

もう終わりにしよう。その土曜、私は覚悟を決めていた。

料金は前払いです

いつものように子どもを置いて去ろうとする彼女を、私は玄関先で引き止めた。

「待って。今日から、預かるならお代を頂くね」

彼女がきょとんとした顔で振り返る。私は落ち着いて告げた。

「一時間2000円。夕方までなら1万円、前払いでお願い」

「1万円も取るなんて、冷たい」

とっさに出たのが、その一言だった。まるで私が悪者だと言わんばかりに。

「冷たいのは、半年間ただで人の家を使ってきたほうじゃない?」

「そんな、大げさな…ちょっと預かってもらってただけでしょ」

「ちょっと、が毎週。それも朝から夕方まで。あなた、自分がされたらどう思う?」

静かにそう返すと、彼女の表情がすっと固まった。何か言い返そうとして、視線が泳ぐ。

「……やっぱり、いい。今日は帰る」

結局、財布に手をかけることもなく、彼女は子どもを連れて慌てて去っていった。玄関に残ったのは、ひどく静かな朝だった。

それから、彼女がうちに子どもを置いていくことは二度となかった。道で会っても、決まって彼女のほうが先に目を逸らす。

お迎えの時間、以前は我が物顔だった彼女が、今は私を避けるように離れて立っている。押しつける側とされる側の立場は、あの朝を境に静かに入れ替わっていた。

玄関のドアを閉めると、久しぶりに肩の力が抜けた。料金を口にした瞬間だけは、少し声が震えた。それでも言い切れて、本当によかったと思う。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.21(Wed)

「結納金ね、まだ用意してないのよ」当日の朝、母に言われた私が、結納返しを受け取って笑いそうになったワケ
tend Editorial Team

NEW 2026.10.21(Wed)

「小さい子がいると大変なんですよ」運動会でテントを張った家族。だが、先生が静かに伝えた場所の使い道
tend Editorial Team

NEW 2026.10.21(Wed)

「タクシー代のほうが高いじゃん」閉店した両替所で私たちを責めた友人。翌日、気づいた無駄な出費
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.08.14(Fri)

「今は食べられないの?」朝食のパンを次々バッグへ入れる母親。だが、スタッフの一言で状況が一変
tend Editorial Team

2026.10.19(Mon)

「見本は1枚きりだ。なくしたのも君だ」渡してもいない見本で私を責め立てる課長。だが、私の一言で黙り込んだ
tend Editorial Team

2026.10.05(Mon)

「お菓子と食事の分だけだよ」彼女が払う買い物に私用品まで入れる彼、レジへ向かう前に告げられた一言
tend Editorial Team