tend Editorial Team

2026.06.07(Sun)

「なんで、みんな見てるの?」帰りの電車で感じた謎の視線。だが、近くの女性の会話で、私の間違いに気づいた

「なんで、みんな見てるの?」帰りの電車で感じた謎の視線。だが、近くの女性の会話で、私の間違いに気づいた

視線の意味がわからなかった

仕事帰りの電車に乗り込んで、席に座ってイヤホンを差した。

音楽はなし。

ただ外の雑音を遮りたくて、半ば習慣のようにしている。

窓の外が暗くなるにつれ、頭の中がようやく動き始める気がしていた。

しばらく窓の外を眺めながら、頭の中でいろんなことを考えていた。

今日起きたあれこれ、明日やること、帰ったら何を食べようか。思考がぐるぐると巡る中、ふと向かいの席の男性がこちらをまっすぐ見ているのに気づいた。

(なんで、みんな見てるの?)

視線が重なると、すっと逸らされた。

隣の女性も何か気になるようなそぶりを見せていた。

何か変なところがあったのかな、と軽く思いながらイヤホンを外した。

そのとき、近くの女性の会話が聞こえた。

「あの人、独り言ヤバくない?」

誰のことを言っているのか、すぐにはわからなかった。

直後、自分の口からも何かの言葉が漏れているのに気づいた。

境目が消えていた

頭の中で考えていたことが、そのまま口から漏れていた。

独り言として、普通の声量で。何駅分続いていたのかわからない。

隣の女性が話していた相手は、私のことだった。

向かいの男性は表情を変えずにいたけれど、視線がときどきこちらに走るのが見えていた。

恥ずかしさより先に来たのは、冷えるような感覚だった。

自分が声を出していることを、まったく認識していなかった。

でも、こんなふうに自分の制御が効かなくなるとは思っていなかった。

あれだけぼんやりしていた頭が、少しずつ現実に引き戻されていく感覚は妙にゆっくりとしていた。

(自分では気づけないまま、どこかがずれていくんだ)

そう思ったとき、車内の喧騒がやけに遠く聞こえた。

誰も何も言わなかった理由が怖い

誰かに言われる前に自分で気づけたのは、ある意味よかったのかもしれない。

でも、その事実がまた怖かった。

気づけなかった時間が確かにあった。その間、周りは全員知っていて、私だけが知らなかった。

疲れが蓄積すると、人は自分でも気づかないまま何かが変わっていく。あの夜の電車で感じた恐怖は、そういうことを教えてくれた。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.22(Thu)

「忘れるわけないって」大学時代に貸した3千円を諦めた私。数年後、偶然再会した同級生から聞かされた言葉
tend Editorial Team

NEW 2026.10.22(Thu)

「合ってる合ってる。もういいから」注文確認を切り上げた男性客。だが、受け取り窓口で怒鳴り始めた結果
tend Editorial Team

NEW 2026.10.22(Thu)

「細かい人だな」レジで金額を確認する女性客にあきれた私。翌朝、同じ店員にレシートを差し出したワケ
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.08.28(Fri)

「私も最初、無視されたと思ったの」挨拶が返ってこない先輩ママ。だが、別の母親から聞いた意外な理由
tend Editorial Team

2025.09.29(Mon)

「まんま取調室ですやん」あなたならここで『卓球』しますか?あまりに物々しい卓球部屋が話題沸騰!
tend Editorial Team

2026.06.11(Thu)

「邪魔なんで前に抱えてください」満員電車でリュックを背負う乗客。だが、女性客の一言で態度が一変
tend Editorial Team