「小さい袋が、うちの生け垣の葉です」落ち葉を責めた隣人。だが、大きな袋を見て黙った理由
玄関先で責められた落ち葉
2年ほど前、柿の葉が色づく季節のことです。お隣の庭には大きな柿の木が1本あり、うちの庭との境には、細い葉の生け垣を植えていました。
お隣に住んでいるのは、70代くらいのご夫婦です。
休日の昼前、インターホンが鳴りました。玄関を開けると、お隣の男性が腕を組んで立っています。
「ちょっと、境目を見てもらえるかな」
言われたほうを見ると、うちの生け垣の枝が、ほんの数センチだけお隣側へ伸びていました。
「おたくの木のせいで、うちの敷地が落ち葉だらけなんだよ」
「すみません。枝が出ているのは気づきませんでした」
私は頭を下げ、その週末には業者に頼んで、枝を境界より内側まで切ってもらいました。
ところが数日後、庭で鉢植えの手入れをしていると、男性がまた門を開けて入ってきました。
「切ったのはいいけど、落ちた葉っぱの掃除がまだだろ」
思わず聞き返しました。
「掃除も、うちがするんですか?」
「こっちは毎朝掃いてるんだ。おたくの葉っぱなんだから、おたくが拾いに来るのが筋だろう」
納得はできませんでしたが、言い合いになるのも避けたくて、私はほうきと袋を持ち、男性について隣の庭へ向かいました。
袋を分けてみると、見えてきたこと
隣の庭には、たくさんの落ち葉が積もっていました。
ところが拾い始めてすぐ、私は気づきました。
多くは手のひらほどもある大きな柿の葉で、うちの生け垣の細い葉は、ひとつかみほどしかありません。
そこで私は、細い葉を小さな袋へ、柿の葉を大きなゴミ袋へ分けて集めました。
男性は腕を組んだまま、その様子を見ています。
「ずいぶん時間がかかるな」
掃除を終えた私は立ち上がり、2つの袋を男性に見せました。
「小さい袋が、うちの生け垣の葉です。大きいほうは、お宅の柿の葉でした」
男性は袋をのぞき込み、そのまま黙りました。
そこへ家の中から、男性の妻がサンダルをつっかけて出てきました。
「あら、柿の葉っぱじゃない。毎年この時期は、うちの木から山ほど落ちるのよ」
妻は袋を見てから、男性に目を向けました。
「あなた、お隣に何を言いに行ってたの」
男性は腕をほどきましたが、何も言い返しませんでした。
私は大きな袋を足元へ置きました。
「こちらは柿の葉なので、このまま置いておきますね」
男性は黙って袋を持ち、家の中へ入っていきました。それ以来、男性がうちのインターホンを鳴らすことはありませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














