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2026.09.21(Mon)

「来月ちゃんと返すね」彼女に貸した3万円。数か月後、別れ話で僕が見せたメッセージ

「来月ちゃんと返すね」彼女に貸した3万円。数か月後、別れ話で僕が見せたメッセージ

僕の前でだけ薄くなる財布

5年ほど前に付き合っていた彼女は、週末に食事へ行くと、会計の前で財布の中をのぞいて困ったように笑うことがあった。

最初は焼き鳥屋へ行った日のことだった。

「ごめん、今月きついから…今日は多めに出してもらってもいい?」

「うん、いいよ。気にしないで」

そのときは、本当に余裕がない月なのだろうと思っていた。

ところが翌月、今度は一緒に入った雑貨店のレジで、彼女が財布を開いたまま申し訳なさそうに言った。

「また今月きついから……これも出してもらっていい?」

少し引っかかったものの、僕はそのまま支払った。

「まあ、今回はいいよ」

それからは食事や買い物のたびに、僕が先に財布を出すことが増えていった。気づけば、ひと月に2〜3万円ほど負担するのが当たり前になっていた。

旅行を翌週に控えた夜には、彼女からさらに頼み事をされた。

「旅行代が3万円だけ足りなくて……悪いんだけど、貸してもらえない? 来月には返すから」

僕は少し迷った。

「……わかった。じゃあ、今度会うときに持っていくよ」

次に会った日に3万円を渡すと、その夜、彼女からメッセージが届いた。

「ほんと助かった。ありがとう。来月ちゃんと返すね」

けれど翌月になっても、その次の月になっても、返すという話は出なかった。

こちらから「返して」と言えばいいだけなのに、お金のことを細かく言う人だと思われるのが嫌で、僕もなかなか切り出せなかった。そのあいだも週末の食事代は僕が払うことが多かった。

そんなある日、共通の友人と昼を食べていたとき、何げない会話から彼女の話になった。

「あの子、最近も飲み会に来てるし、買い物もしてるみたいだけど」

思わず聞き返した。

「え?僕にはずっと、お金がきついって言ってるんだけど」

友人は少し驚いた顔をした。

「そうなの?少なくとも私たちといるときは、そんな感じじゃないけどな」

「……じゃあ、僕の前でだけなのかな」

「そこまでは分からないけど、いつもお金に困ってるようには見えないよ」

その言葉を聞いて、それまで見ないようにしていた違和感が、急にはっきりした気がした。

別れ話で返した一言

別れを決めたのは、それから少しあとのことだった。

いつもの店で向かい合い、お互いに言いたいことを話し終えると、テーブルには冷めたコーヒーだけが残った。

彼女が席を立とうとしたところで、僕はずっと言えなかったことを切り出した。

「あのさ、最後にひとつだけいい?」

「なに?」

「旅行のときに貸した3万円、覚えてる?」

彼女は少し間を置いてから言った。

「あれ?あれって、出してくれたんだと思ってた」

その返事には、さすがに驚いた。

「いや、来月返すって言ってたよね」

「そうだっけ…」

僕は携帯電話を開き、当時のメッセージを見せた。

そこには、彼女自身が送ってきた「来月ちゃんと返すね」という言葉が残っていた。

画面を見せながら、僕は言った。

「僕が出したんじゃないよ。貸したんだよ」

彼女はしばらく画面を見たあと、視線を落とした。

「……ごめん。私、勝手にそう思ってた」

「うん。返してくれれば、それでいいよ」

「わかった。ちゃんと返す」

数日後、僕の口座には3万円が振り込まれていた。

友人にそのことを話すと、「ちゃんと言えてよかったね」と返ってきた。

僕は彼女とのメッセージ画面を閉じ、そのあとはこちらから連絡することはなかった。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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