「時間もチケットも確認したし、大丈夫」海外旅行の朝、夫に言い切った私が、空港に着いて固まった理由
準備は全部、私が引き受けた旅
30代だった私は、夫と2人で久しぶりの海外旅行へ出かけようとしていました。
宿の予約も航空券の手配も荷造りも、準備はすべて私の担当でした。
私たちの住む場所から利用できる空港は2つあります。
国内旅行ではいつも、バスで行けるほうの空港を使っていました。
今回予約した国際線が出るのは、もう1つの空港です。
航空券を取ったときには当然その名前を見ていたはずなのですが、出発当日の私は「空港へ行くならいつものところ」と、すっかり思い込んでいました。
玄関で旅行かばんを持つと、夫が聞きました。
「空港まで、いつものバスで行くんだよね?」
「うん。時間もチケットも確認したし、大丈夫」
「じゃあ任せた」
私自身があまりに迷いなく答えたせいか、夫もそれ以上は確認しませんでした。
パスポートもある。航空券もある。荷物もそろっている。私は準備を完璧に終えたつもりで家を出ました。
案内係の答えに、頭が真っ白に
朝7時半、いつもの空港の出発ロビーに着きました。
受付場所を確認しようと、私は旅行かばんを引いて案内カウンターへ向かいました。夫もかばんを持って、すぐ後ろにいます。
私は案内係の女性に尋ねました。
「すみません。国際線のチェックインカウンターは、どこですか」
女性は一瞬だけ間を置いてから、ていねいに答えました。
「申し訳ございません。こちらの空港には国際線はございません」
「……え?ないんですか?」
「はい。国際線は、もう1つの空港からのご出発になります」
その瞬間、頭の中が真っ白になりました。
航空券に書かれていた空港名が、そこでようやく頭に浮かびました。
そっとうしろを振り返ると、夫も何も言わず、ゆっくり天井を見上げています。
乗るはずだった便は、すでに出発
急いで移動しましたが、国際線が出る空港に着いたころには、10時の便の搭乗手続きには間に合いませんでした。
私は受付のカウンターで事情を話し、何度も頭を下げました。
幸い、夕方の便に変更してもらうことができました。
長い待ち時間、夫とロビーのいすに並んでおにぎりを食べていると、夫がぽつりと言いました。
「…空港まで間違えるとは思わなかったな」
「本当にごめん。チケットまで取ったのにね…」
夫は少し笑っただけで、それ以上は責めず、自分のお茶を私のほうへ寄せてくれました。
あれ以来、旅行の前には航空券に書かれた空港名と出発する建物、時間を3回確認するようになりました。
それでも旅行の朝になると、夫は旅行かばんを持ちながら、今でも決まって聞いてきます。
「で、今日の空港は、どっち?」
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














