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2026.10.06(Tue)

「足りなくなったら困らない?」夫の忠告を聞かなかった私が、のっけ丼のチケットを数えて固まった理由

「足りなくなったら困らない?」夫の忠告を聞かなかった私が、のっけ丼のチケットを数えて固まった理由

30分並んで、私が選んだ枚数

昔、夫と旅行に出かけたときのことです。

いちばん楽しみにしていたのは、市場で食べるのっけ丼でした。

入口でチケットを買い、市場の店を回りながら、好きな具と交換して丼にのせていく仕組みです。

朝から入口には長い列ができていて、私たちも30分ほど並びました。

ようやく順番が近づいたところで、夫が言いました。

「1人10枚ずつ買っておこうか」

私はすぐに首を振りました。

「そんなにいる?具なんて4つか5つのせたら十分でしょ」

「でも、足りなくなったら困らない?」

「2人で10枚あれば大丈夫だよ。余ったらもったいないし」

当時の私は、チケット1枚で具を1つ選ぶような感覚で考えていました。

朝ごはんですし、20枚も使うとは思えなかったのです。

結局、私の判断で2人合わせて10枚だけ購入しました。

夫は少し気になった様子でしたが、それ以上は何も言いませんでした。

残り4枚で、選べる具を考えることに

市場に入ると、まずご飯を受け取りました。

店の人にチケットを渡し、1人1枚ずつ。これで残りは8枚、1人4枚です。

「まだ4枚あるし、十分じゃない?」

そう言った私でしたが、刺身の店を見て回るうちに考えが変わりました。

具によって必要なチケットの枚数が違ったのです。1枚で交換できるものもありますが、食べたかった具の中には2枚、3枚必要なものもありました。

「あれ、思ってたより使うね…」

私が手元のチケットを数えていると、夫がこちらを見ました。

「だから1人10枚って言ったのに」

責めるというより、やっぱりね、と言いたそうな顔です。

「…もう1回並んで買い足す?」

入口を見ると、まだ長い列が続いていました。

夫は苦笑いしながら首を振りました。

「また30分並ぶのは、さすがにきついな」

仕方なく、私たちは残ったチケットで収まるように考えながら、えびやほたてなどを選びました。

隣の丼を見て、ようやく分かった

夫と並んで席に着いたとき、隣のお客さんの丼が目に入りました。

まぐろの赤、いくらのだいだい色、うにの黄色。いろいろな具がのっていて、ご飯がほとんど見えません。

それに比べると、私たちの丼は白いご飯の部分がずいぶん目立っていました。

夫も同じほうを見ています。

「……あれくらい、のせたかったね」

「うん……」

その瞬間、夫が最初に「1人10枚」と言った意味が、ようやく身にしみました。

あれから10年。今でも旅行の話になると、夫はときどき笑いながら私に言います。

「チケットは、1人10枚な」

その言葉を聞くたびに、色とりどりだった隣の丼と、白い部分の多かった自分たちの丼を思い出します。

今なら私は、迷わずうなずきます。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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