tend Editorial Team

2026.06.26(Fri)

「今年もお盆玉くれよ」名前も知らない遠い親戚のお願い。私が返した一言で空気が凍りついた瞬間

「今年もお盆玉くれよ」名前も知らない遠い親戚のお願い。私が返した一言で空気が凍りついた瞬間

毎年のたかりに笑顔で耐えて

お盆に帰省すると、広間で必ず捕まる相手がいました。年に一度しか会わない、遠い親戚の男性です。

「元気にやってるのか?ところで今年もお盆玉くれよ」

挨拶とたかりが、ひと続きでやってくる。私はこの人の名前も、どういう続柄なのかも、正直よく分かっていませんでした。

それでも毎年、いい大人にお盆玉をねだられるのです。

「もう、逆にこっちがいただきたいくらいですよ」

愛想笑いでそう返すのが、私の決まり文句でした。波風を立てたくない一心で、毎年同じやり取りを繰り返してきたのです。

けれど内心では、名前も知らない人にたかられる理不尽さに、ずっとモヤモヤしていました。

数えてみせた夏

その年、彼はいつも以上に上機嫌で寄ってきました。

「お前は気前がいいからな。今年もよろしく頼むよ」

私は箸を置き、穏やかに、けれどはっきりと口を開きました。

「ところで、お名前なんでしたっけ。私、毎年お会いしてるのに存じ上げなくて」

彼が言葉に詰まった隙に、私は続けました。

「名前も知らない相手にお小遣いをねだるって、なかなかの度胸ですよね。いい大人なんですから、ここは年長者のあなたから、いかがですか」

笑顔のまま手のひらを差し出すと、広間がしんと静まりました。一拍おいて、伯父が「違いない!」と膝を打ち、あちこちから笑いがこぼれます。

彼は顔を強張らせ、「いや、冗談のつもりで……」と口ごもりました。

差し出した私の手を見て、彼はそろそろと後ずさり、人混みの奥へ消えていったのです。

名前を呼ばれなくなった私

それからのお盆、彼は私を遠目に見つけると、すっと進路を変えるようになりました。

「……どうも」

会釈だけ寄こして、足早に去っていく。あんなに馴れ馴れしかったのが嘘のようでした。

伯母が肩を叩いて言いました。「あなた、よく言ったわね。みんな内心思ってたのよ」。その言葉に、長年の重さがふっと軽くなった気がしました。

笑顔で受け流すのも優しさですが、線を引くこともまた、自分を守る優しさなのだと知った夏でした。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.11(Tue)

「責任者を呼んで」テーブルのささくれに声を荒らげた友人の夫。だが、妻の一言で空気が一変
tend Editorial Team

NEW 2026.08.11(Tue)

「一口しか食べてないのよ、交換して」落としたアイスを持って戻ってきた親。だが、店長が毅然と対応した結果
tend Editorial Team

NEW 2026.08.11(Tue)

「タルタルが入ってないぞ」店側のミスを認め交換を申し出るも、男性客が続けた要求に絶句
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.04.09(Thu)

京都府知事選挙は西脇隆俊氏が圧倒的強さで3度目の当選。組織票と実績アピールが奏功、北陸新幹線ルート問題の行方にも注目
tend Editorial Team

2025.09.03(Wed)

鈴木おさむ、YouTubeで「堀江貴文 VS フジテレビ」20年目の真実を公開へ。「面白そうですね」と期待の声
tend Editorial Team

2025.08.16(Sat)

フェイクの傘?あなたは見抜けるか?豊田市博物館にある不思議な傘立ての秘密が話題に!からくりに気づくと二度見必至
tend Editorial Team