「無理だよ。まだ座るのもつらいの」産後の私を義実家に連れて行った夫。だが、義母の一言で嘘が露呈した
実家と比べ続ける夫
夫は、何かにつけて実家を引き合いに出す人でした。
実家の味はもっと濃かった、母さんなら三十分で片付ける。
八年聞き続けて、もう相槌も打たなくなっていました。
限界が来たのは、出産の直後です。
傷は痛み、まとまって眠れる時間は二時間もありません。それでも夫は、リビングのソファから言い出しました。
「母さんが孫に会いたいってさ。来週、実家に泊まりで行くから」
「無理だよ。まだ座るのもつらいの」
「産後は実家に行くもんだろ。うちの母さんがそう言ってる」
結局、押し切られました。慣れないチャイルドシートに赤ん坊を乗せ、高速を二時間。
夫はハンドルを握りながら、実家の夕飯は何かなと鼻歌まじりでした。後部座席で、私は赤ん坊の頭を支えたまま身動きも取れません。着いた頃には、腰の感覚がなくなっていました。
義母の一喝
玄関を開けた義母は、私の顔を見るなり眉をひそめました。
「顔が真っ白じゃないの。無理して来ることないのに」
「え…でも、お義母さんが来てほしいと」
義母の視線が、すっと夫へ移りました。
「あんた、電話でなんて言ったか覚えてる?」
「妻が母さんのご飯を食べたいって」
「そう言うから、朝から炊き込みご飯を仕込んだのよ。私は一度も来いなんて言ってない」
体の力が抜けました。自分が実家でくつろぎたい。ただそれだけのために、夫は産後の私を口実にしたのです。
義母の表情が、みるみる変わっていきます。筋の通らないことを許さない人なのです。
「嫁に嘘までついて、自分だけ楽したかったの」
「いや、その、みんな喜ぶと思って」
「自分の妻も守れない子に育てた覚えはないよ。出ていきなさい」
夫は言い返そうと口を開き、義母の目を見て、そのまま閉じました。
手はだらりと下がり、赤かった顔が、今度は白くなっていきます。奥から出てきた義父も、しばらく外にいろ、と一言。夫は靴も履き替えずに、外へ出ていきました。
私は座布団を重ねてもらい、炊き込みご飯と煮魚を、時間をかけていただきました。義母は赤ん坊を抱いて、今日はもう寝てなさい、と笑ってくれました。夫はその夜、近くのファミリーレストランで一人、うどんをすすっていたそうです。
帰りの車で、夫は運転席から小さく言いました。体、平気か、と。実家の話は、それきり出なくなりました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














