「そんな場所に置くほうも悪いでしょ」叔母のバッグを勝手に開けた子供をかばう母親。だが、伯父が返した言葉で状況が一変
法要後の控え室で
祖母の法要を終え、親族で控え室に集まっていたときのことです。
部屋では大人たちが久しぶりに会った近況を話し、子どもたちは隅に用意されたお菓子を食べながら遊んでいました。
母の妹にあたる叔母は、壁際の椅子にバッグを置き、少し離れた場所で伯父たちと話をしていました。
しばらくして、私は叔母のバッグのそばにしゃがみ込んでいる男の子に気づきました。
従姉の息子で、小学校に上がったばかりの子です。
バッグには動物の形をしたキーホルダーが付いており、それが気になったようでした。
しかし、男の子はキーホルダーを眺めるだけでなく、バッグのファスナーを開け、中へ手を入れていました。
「それ、叔母さんのバッグだよ。勝手に開けたらだめだよ」
私が声をかけると、男の子は驚いた様子で手を止めました。その手には、叔母の小さな化粧ポーチが握られています。
「これ、見たかっただけ」
男の子が指したのは、ポーチに付いていた飾りでした。
悪気があって何かを取ろうとしたわけではなさそうです。それでも、持ち主に断らずバッグを開けてよいわけではありません。
私たちのやり取りに気づき、叔母と従姉もこちらへやってきました。
「子どものしたことだから」
叔母は男の子からポーチを受け取ると、バッグの中を確認しました。
「何もなくなってはいないみたい。でも、人のバッグは勝手に開けないでね」
叔母は感情的に叱らず、静かに伝えました。
男の子はうつむきましたが、そこで従姉が口を挟みました。
「子どものしたことなんだから、そこまで言わなくてもいいでしょう」
さらに、バッグが置かれていた椅子を見ながら続けます。
「そんな場所に置いておくほうも悪いんじゃない?子どもなら気になるでしょ」
叔母は困ったように黙り込みました。
バッグを置いていたのは、子どもたちが遊んでいた場所から少し離れた壁際です。決して通路をふさいでいたわけでも、目立つ場所へ放置していたわけでもありません。
すると、そのやり取りを近くで聞いていた伯父が口を開きました。
「置いてある場所と、勝手に開けていいかどうかは別の話だろう」
親族の中で最年長の伯父でしたが、声を荒らげることはありませんでした。
「この子は、まだ分からなくて触ったのかもしれない。だからこそ、今教えるんじゃないのか」
従姉は何か言い返そうとしましたが、伯父は男の子を責めるのではなく、従姉へ静かに続けました。
「子どものしたことだからこそ、親が一緒に謝るところを見せないと、この子も何がいけなかったのか分からないままだよ」
部屋にいた親族も、黙ってうなずいていました。
従姉はしばらく不満そうな顔をしていましたが、やがて息子のそばにしゃがみました。
「勝手に開けたこと、叔母さんに謝ろう」
男の子は小さな声で「ごめんなさい」と言いました。従姉も続けて、「私も、かばうようなことを言ってごめんなさい」と頭を下げました。
叔母は「分かってくれたなら、それでいいよ」と答え、男の子にバッグのキーホルダーを近くで見せてあげました。
幼い子どもが好奇心から手を伸ばすことはあるでしょう。しかし、その行動を「子どもだから」で終わらせず、人の物を勝手に触らないことを教えるのは、大人の役目なのだと感じた出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














