「あの子じゃ無理に決まってるじゃん」と入試試験後に私の悪い噂を流す同級生。だが、私の入試結果を聞いて、表情が固まった
噂が広まったあの日の放課後
私立高校の入試が終わり、結果が出はじめた頃、クラスに不思議な噂が流れてきた。
内容は「私が試験でかなり悪い点を取ったらしい」というものだった。
出どころはすぐにわかった。
同じクラスに、自分の成績がいい時だけ話しかけてくる女の子がいて、彼女が広めていたのだ。
その子とは仲が悪いわけではなかった。ただ中学3年になってから、定期テストが返ってくるたびに、自分の点数がよかった時だけ近寄ってきて「何点だった?」と確認してくる癖があった。
自分が思ったより取れなかった週は、こちらから声をかけても素っ気なかった。
比べたいだけなんだと途中で気づいて、適当に受け流すようにしていた。高校が違えば顔を合わせることもなくなる。
そう思えば、やり過ごすのもそれほど難しくはなかった。
彼女は入試後、教室の隅で他の子に向かってこう言っていたという。
「あの子じゃ無理に決まってるじゃん」
後から仲のいい子経由でその話を聞かされた。
その根拠は、合否案内の電話だった。
その高校では、上位成績者に単願切り替えを勧める連絡が届く仕組みがあり、私には電話がかかってこなかった。
それを見て「落ちたか悪かったのでは」と判断したらしい。
実際には逆だった。
私は最上位クラスに合格していたので、そもそも電話対象ではなかった。
仕組みを知らない人には判断できないのはわかるが、確認もしないまま噂として広めたことには、じんわりとした苦さが残った。そのまま黙って一日が過ぎた。
真実が伝わった瞬間の表情
放課後、何人かが試験の結果を聞きに来た。いくつかの高校を受けていたのでその話になり、正直に話すと、「最上位クラスって倍率高いのに」「すごいじゃん」と声が重なった。ほっとするやら照れくさいやら、複雑な気持ちで答えていた。
気づいたら、その輪の端に彼女が立っていた。
話の流れで近づいてきたのか、私が褒められる様子をそのまま聞いていた。
表情は固まっていた。視線が定まらず、かすかに口が動いたが言葉にはならなかった。
こちらから何かを言うつもりはなかった。
ただ、モヤモヤと積もっていたものが、その場の空気のなかでゆっくりと消えていった。噂を否定しに回る必要もなかった。結果がそのまま語ってくれた、という感じだった。
成績が絡む噂話は誰かを傷つけることもある。
それを身をもって知ったできごとだったが、あの放課後だけは、スッキリとした気持ちが残った。
卒業後に関わることもなくなったが、あの気まずそうな表情は、今でも不思議とはっきり覚えている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














