「少しくらい飲んだって、何が悪いんですか」正月の席で失礼な言葉が止まらなくなった義妹。だが、義父が静かに制した瞬間
義弟夫婦を迎えた、初めての正月
義弟が結婚してから、初めて迎えた正月のことです。
その年、義弟は妻と幼い子どもを連れて、義実家へやってきました。
義妹はまだ親族の集まりに慣れていない様子で、到着したときから少し緊張した表情をしていました。
私と義母が料理を並べている間は、義弟と交代しながら子どもの世話をしています。
「赤ちゃんを見ていてくれたら十分よ。今日はゆっくりしてね」
義母がそう声をかけると、義妹はほっとしたように頭を下げました。
やがて料理がそろい、全員で乾杯しました。
義妹は「久しぶりに飲みます」と言いながら、最初の一杯を勢いよく空けました。緊張をほぐしたかったのか、その後も普段より速いペースでグラスを重ねていきます。
しばらくすると、義妹の声が少しずつ大きくなってきました。
「お義姉さんって、本当に真面目ですよね。もっと適当にやればいいのに」
最初は私も、軽い冗談だと思って笑っていました。
しかし、義妹は同じ話を何度も繰り返し、今度は義母の料理にも口を出し始めたのです。
「この煮物、ちょっと味が濃くないですか。うちではもっと薄くしますよ」
義母は「そうね、家によって違うものね」と穏やかに受け流しました。
ところが義妹は、相手が困っていることに気づいていないようでした。
「今日はもうやめよう」と止めた義父
義弟が小声で「少し飲むのを控えたら」と言っても、義妹は気にする様子を見せません。
「お正月なんだから、いいじゃない」
そう言って、もう一度グラスに酒を注ごうとしました。
義母が「少しお茶にしたら?」と勧めると、義妹は不満そうに眉を寄せました。
「少しくらい飲んだって、何が悪いんですか」
その言葉に、にぎやかだった座敷が静かになりました。
お酒を飲むこと自体を、誰も責めていたわけではありません。ただ、義妹の言葉が次第にきつくなり、皆が対応に困っていたのです。
それまで黙っていた義父が、ゆっくりと口を開きました。
「飲むのが悪いと言っているんじゃないよ。ただ、相手が困っているのに言い続けるのはよくない。今日はもうやめておこう」
怒鳴ることも、長い説教をすることもありませんでした。
義妹は何か言い返しかけましたが、隣にいた義弟がグラスを下げました。
「父さんの言うとおりだよ。少し休もう」
義妹はそこでようやく、自分に集まる視線に気づいたようです。しばらく黙り込んだあと、義弟に付き添われて別室へ移りました。
その日は義弟が子どもの世話をし、酔いがさめるまで義妹を休ませました。
翌朝、義妹は義父母と私たちに頭を下げました。
「緊張していたとはいえ、飲みすぎました。失礼なことを言って、本当にすみません」
義母は責めることなく、「次から気をつければいいのよ」と答えました。
翌年の正月、義妹は最初から温かいお茶を選びました。
子どもが落ち着いたあとには、「何か運びましょうか」と自然に声をかけてくれましたが、義母は笑って答えました。
「無理に手伝わなくていいのよ。一緒に楽しく過ごせれば、それで十分だから」
前年のことを誰も蒸し返さないまま、その年の正月は穏やかに過ぎていきました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














