「ちょっと、みんな。何やってるの!?立ちなさい」通路に座って弁当を食べる女子高校生たち。しかし、先生が状況を見てすぐに伝えたこと
通路にできたお弁当の輪
親戚の家に遊びに行く休日、小学生の息子と2人で電車に乗った。
車内には、大きなバッグを抱えた女子高校生たちが大勢乗っていた。
ざっと見ても20人以上はいて、楽しそうな話し声があちこちから聞こえてくる。
「ママ、すごい人数だね。部活かな?」
息子が小声で聞いてきた。
「そうかもしれないね。楽しそうだね」
休日だったこともあり、私も最初はそれほど気にしていなかった。
ところが、何人かがお弁当を取り出した。座席に座れなかった数人は、バッグを脇に置いて通路の床に腰を下ろす。
「あ、こぼした」
「ほんと?あとで拾えば大丈夫じゃない?」
そんな声も聞こえてきた。
最初は端に寄っていたものの、話が弾むうちに少しずつ輪が広がっていく。
やがて別の乗客が通ろうとして、床に座っている子たちの前で足を止めた。
息子もその様子を見て、私の袖を引いた。
「ママ、あれじゃ通れないよね」
「そうだね…」
斜め向かいに座っていた女性が見かねたように声をかけた。
「ごめんね。そこ、通る人がいるから少し空けてもらえる?」
女子高校生たちは顔を上げた。
「あ、はい…」
何人かは足を寄せたものの、まだ人が通れるほどの幅はない。
女性は困った表情で、もう一度声をかけた。
「ごめんね。座ったままだと、ちょっと通れないかな」
先生が見て、すぐに声をかけた
そのとき、隣の車両との間のドアが開き、ジャージ姿の40代くらいの女性が入ってきた。
手にはバインダーを持っていた。
床に座っていた一人が、その姿を見て小さく声を上げる。
「あ、先生…」
先生は通路を見るなり、少し驚いた表情になった。
「ちょっと、みんな。何やってるの!?立ちなさい」
怒鳴ったわけではない。それでも生徒たちは、はっとしたようにお弁当を閉じ始めた。
「すみません」
「ごめんなさい」
床に座っていた子たちは次々に立ち上がり、バッグを抱えて通路の脇へ寄った。
こぼれていたご飯粒にも気づき、一人がティッシュで拾い始める。
先生も周囲を見回してから、乗客に頭を下げた。
「すみませんでした。ご迷惑をおかけしました」
張りつめていた空気が少しだけやわらぎ、息子も小さな声で言った。
「ちゃんと通れるようになったね」
「うん。よかったね」
息子の記憶に残ったのは
親戚の家に着くと、叔母が息子に「電車どうだった?」と聞いた。
すると息子は、車内での出来事を真っ先に話した。
「お姉さんたちが床でお弁当食べてて、通れなくなってたんだよ」
「あら、それは困ったね」
「でも先生が来たら、みんなすぐ立ったの」
叔母は「ちゃんと気づいてくれる先生がいてよかったね」とうなずいた。
女子高校生たちも、大人数で楽しく過ごすうちに周囲が見えなくなっていただけなのかもしれない。先生に言われてすぐに片づけ、謝っていた姿まで含めて、息子には印象に残ったようだった。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














