「あんたに1円も渡すつもりはない」祖母の法要で叔父が突然口にした相続の話。翌朝、見せた態度に絶句
祖父が席を外したあと
祖母の七回忌で、親戚が祖父の家に集まったときのことです。
読経を終えたあとは、座敷で仕出し料理を囲みました。久しぶりに顔を合わせた親戚も多く、祖母の思い出を語りながら、穏やかな時間を過ごしていました。
私の父は数年前に亡くなっています。父は叔父の兄にあたり、私はひとり娘でした。
祖父は、そんな私を昔から気にかけてくれています。
その日も、隣に座った私に声をかけました。
「お前は、笑った顔がお父さんによく似てきたな」
「そうかな。自分では分からないけど」
「ここはお前にとっても実家みたいなものだ。遠慮せず、いつでも来なさい」
私は「ありがとう」と答えました。
それは祖父が普段から口にしている、ごく何気ない言葉でした。
しばらくすると、祖父は疲れた様子で立ち上がりました。
「薬も飲んだし、私は先に休むよ」
叔父たちに見送られ、祖父は自分の部屋へ戻っていきました。
その後も座敷では酒盛りが続き、私は従姉と一緒に空いた皿を下げていました。
叔父が突然持ち出した話
皿を重ねていると、叔父が私を呼び止めました。
「ちょっと、そこに座れ」
声の調子がいつもと違ったため、私は戸惑いながら卓の端に腰を下ろしました。
叔父は酒で赤くなった顔をこちらへ向けると、低い声で言いました。
「さっき、じいさんに優しくされていたからって、期待するなよ」
「期待って、何のこと?」
「家や土地のことだ。あんたに1円も渡すつもりはないからな」
思いがけない言葉に、私はすぐには返事ができませんでした。
祖父は元気に暮らしています。相続について話し合ったこともありません。それなのに叔父は、祖父が私にかけた言葉を、財産の話として受け取っていたのです。
「私は、そんな話をしたことも考えたこともないよ」
そう答えても、叔父は聞く耳を持ちません。
「お前の父親がいないからって、じいさんが何か残すと思うな。あとで口を出されても困るんだ」
すると、近くで片付けをしていた従姉が間に入りました。
「お父さん、やめなよ。おじいちゃんが元気なうちにする話じゃないし、お父さんひとりが決めることでもないでしょう」
叔父は一瞬黙りましたが、すぐに目をそらしました。
「酔っ払いの冗談だよ。そんなに真面目に受け取るな」
そう言って笑い、何事もなかったように酒を飲み始めました。
周囲には会話を聞いて振り返った人もいましたが、叔父を止めたのは従姉だけでした。
覚えていないふりなのか
遠方から来ていた私たちは、その晩、祖父の家に泊まりました。
翌朝、台所へ行くと、叔父が味噌汁をよそっていました。
「昨日は飲みすぎたな。俺、変なことを言ってなかったか?」
私は少し迷ったあと、答えました。
「相続の話をされたよ。私には1円も渡さないって」
叔父は手を止めましたが、すぐに笑いました。
「そんなこと言ったか。覚えてないな」
本当に覚えていないのか、気まずくなってごまかしたのかは分かりません。
ただ、まだ祖父が元気に暮らしているうちから、叔父が財産の行方を気にしていたことだけは伝わってきました。
それ以来、親戚の集まりで叔父と顔を合わせても、以前のようには話せません。
叔父は変わらず親しげに声をかけてきます。それでも私は、あの夜の言葉を思い出し、無意識に少し距離を取るようになりました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














