「これ、近所でも売ってるよね」手土産を雑に置いた親戚。だが、帰り際に本音を伝えた結果
正月の午後、いとこの家を訪ねて
数年前の正月、母や叔父たちと一緒に、いとこの家へ新年の挨拶に行ったときのことです。
いとこは私より少し年下で、結婚後に購入した戸建て住宅で妻と暮らしていました。
その年は、親戚が午後から順番に集まることになっており、私たちが到着したのは午後2時ごろでした。
私は手土産として、家族で分けやすい個包装の和菓子を用意していました。特別に珍しい品ではありませんが、以前食べておいしかったため、百貨店の売り場で選んだものです。
玄関でいとこの妻に紙袋を渡すと、「ありがとうございます。あとで皆さんといただきますね」と受け取ってくれました。
その後、私たちは居間のこたつを囲み、お茶を飲みながら近況を話していました。
しばらくすると、いとこの母である伯母が、私の仕事について尋ねてきました。
「今も同じ会社に勤めているの?」
私が「ええ、変わらずです」と答えると、伯母はすぐにいとこの話へ移りました。
「この子は去年、役職がついたのよ。忙しくなったみたいだけど、お給料も少し上がったんですって」
伯母に悪気はなかったのかもしれません。
しかし、その後も住宅ローンの返済状況や車の買い替えなど、いとこの暮らしぶりを私と比べるような話が続きました。
私は正月の集まりで空気を悪くしたくなかったため、「それはよかったですね」と相づちを打っていました。
手土産を見た、いとこの反応
やがて、いとこの妻がお茶を入れ直すために席を立ち、先ほど私が渡した和菓子の箱を居間へ持ってきました。
「せっかくなので、皆さんでいただきましょうか」
妻が箱をこたつの端に置くと、いとこは包装紙を見て、すぐに商品に気づいたようでした。
「ああ、これ近所のスーパーでも売ってるよね」
そう言いながら箱を持ち上げると、いとこは自分の前から少し離れた場所へ、滑らせるように置きました。
乱暴に投げたわけではありません。
しかし、箱はこたつの天板の上を滑り、置いてあった湯飲みに当たりそうになりました。
いとこの妻が慌てて箱を押さえ、「ちょっと、そんな置き方しないでよ」と注意しました。
伯母も「近くで売っていたって、おいしければいいじゃない」と言いましたが、いとこは気にした様子もなく、テレビへ視線を戻しました。
私はその場では何も言いませんでした。
ただ、時間をかけて選んだ品を値段や販売場所だけで判断されたことに、少し寂しさを感じました。
帰り際に伝えた本音
夕方になり、私たちが帰る支度を始めたころ、いとこが玄関まで見送りに来ました。
ほかの親戚が先に外へ出たため、玄関には私といとこだけが残りました。
私は靴を履きながら、なるべく感情的にならないように伝えました。
「さっきのお菓子だけど、近所で買えるものだったとしても、持ってきた人の前で雑に扱うのはやめたほうがいいと思うよ」
いとこは一瞬驚いた顔をしました。
「投げたつもりはなかったけど…嫌な感じに見えたなら、ごめん」
素直な謝罪というより、少し納得していない様子にも見えました。
それでも私は、「高いものを選んだと自慢したいわけではなく、気持ちの問題なんだ」とだけ付け加えました。
帰宅後、いとこの妻から母を通じて、「お菓子はみんなでいただいた。おいしかったと伝えてほしい」と連絡がありました。
いとことの間に大きなけんかが起きたわけでも、その日を境に態度が劇的に変わったわけでもありません。
ただ、それ以降の親戚の集まりでは、いとこが人から受け取ったものを茶化すような言い方をすることはなくなりました。
贈り物は、値段や珍しさだけで選ぶものではありません。身近な品であっても、相手が自分たちのために用意したものなら、その気持ちまで雑に扱わないことが大切なのだと思います。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














