「お兄さんも財布を出してください」会計前に席を外す義兄、家族が支払いを待つと食卓に落ちた沈黙
支払いが終わると戻ってくる義兄
義兄は食事が終わると会計の前に席を外します
家族で外食すると、義兄はいつも会計の直前に席を立ちます。食事の途中ではなく、そろそろ払って帰ろうかという頃です。
「ちょっとトイレ」
そう言って姿を消し、戻ってくるのは決まって支払いが終わったあとでした。最初のうちは、たまたまタイミングが重なったのだと思っていました。誰にでも席を外したくなるときはありますから。
妻は支払い後に戻る義兄に違和感を覚えています
でも、一度や二度ではありません。気づけば五回以上、同じことが続いていました。そのたびに、残った家族が会計を済ませています。
義兄が戻ってきても誰も何も言わないので、私も何となく黙っていました。家族で楽しく食べたあとに、お金のことで空気を悪くしたくなかったのです。けれど、毎回あまりにも都合よく支払いが終わっていることが、ずっと引っかかっていました。
妻は家族と一緒に義兄が席へ戻るのを待ちます
次に外食することになったとき、私は、今度も同じように黙っているのはやめようと決めました。トイレへ行くことを止めたいわけではありません。戻ってきたあとも、義兄の分まで誰かが払ったままになるのが嫌だったのです。
当日、食事が終わりに近づくと、義兄はまた席を立ちました。私は家族に、今日はお兄さんが戻ってから、みんなで会計をしませんかと伝えました。
今日はまだ終わっていません
義兄は家族がまだ会計を済ませていないと知ります
家族がうなずいたので、私たちは席で待つことにしました。伝票はテーブルに置いたままです。やがて戻ってきた義兄は、まだ全員が座っているのを見て足を止めました。
「あれ、会計は済んだ?」
私は首を横に振りました。いつもなら帰る支度をしている頃ですが、その日は伝票もテーブルに置いたままでした。義兄は私と伝票を交互に見ました。
妻が義兄の分は未払いだと伝えると義兄は黙ります
「お兄さんの分は、まだです」
そう答えると、義兄は黙りました。私は、今日は戻ってくるのを待っていたのだと伝えました。
トイレに行っていたから払えなかったという話にはなりません。今はここにいるのですから、自分の分を出してから一緒に帰ればいいだけです。私は伝票を義兄にも見える向きに置き直しました。
「お兄さんも財布を出してください」
義兄は小さく息を吐き、ようやく自分の財布を取り出しました。
義兄は財布を取り出し自分の食事代を払うと答えます
「分かった。自分の分は出すよ」
義兄はそう答え、私たちと一緒に会計へ向かいました。その日は、自分の分をきちんと払いました。誰かが先に全員分を済ませておく必要はなかったのです。
義兄が何を考えて毎回席を外していたのか、本当のところは分かりません。ただ、もうその間に代わりに払っておくのはやめました。五回以上言えずにいた私も、次からは会計の前に身構えずに済みそうです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














