「1時間かけて大事に持って帰ってきたよ」誕生日ケーキを守り抜いた夫。箱を開けた瞬間、家族が笑ってしまった理由
誕生日の夜、夫が大事そうに抱えてきた箱
私の誕生日の夜のことです。
小学生の息子と食卓について、仕事帰りの夫を待っていました。
夫は朝から「今日はケーキを買って帰るからね」と張り切っていて、息子も私の好きな色のろうそくを選び、楽しみにしていました。
しばらくすると玄関が開き、夫が帰ってきました。
両手で白い箱を抱え、まるで壊れ物でも運ぶように、ゆっくりと歩いてきます。
「ただいま!誕生日おめでとう!」
「ありがとう!すごく慎重に持ってるね」
夫は箱を食卓にそっと置くと、得意そうに笑いました。
「そりゃそうだよ。1時間かけて大事に持って帰ってきたよ」
話を聞くと、帰りの電車では運よく座れたため、ずっと膝の上に箱を乗せていたそうです。
電車が揺れるたびに両手で押さえ、人にぶつからないよう、降りるときも最後まで待ったのだとか。
「途中で寝そうになったけど、落としたら大変だから頑張って起きてた」
「ええっ、そこまで気をつけてくれたの?」
「一回くらい中を確認したかったけど、開けて崩れたら嫌だからさ」
あまりにも真剣な夫の話に、私は思わず笑ってしまいました。
隣では息子が「パパ、すごい!」と拍手しています。
家族のために一生懸命ケーキを運んでくれたことが、何よりもうれしかったのです。
箱を開けた瞬間、夫の表情が一変
「ママ、早く開けようよ!ろうそく立てたい!」
息子にせかされ、私は白い箱に手を伸ばしました。
よく見ると、箱の角が少し湿っています。
不思議に思いながら、そっとふたを開けました。
「…えっ?」
思わず声が出ました。
箱の中には、ピンク色のクリームがどろどろに溶け、いちごが浮いていたのです。
肝心のケーキは、原形をとどめていません。
「ちょっと待って。これ、アイスケーキじゃない?」
「えっ、アイス!?」
夫は慌てて立ち上がり、箱の中をのぞきこみました。
どうやら夫は、普通のケーキだと思い込んでいたようです。
保冷剤も入っておらず、暖房の効いた電車で1時間も膝に乗せていたため、すっかり溶けてしまっていました。
夫はしばらく固まっていました。
すると、息子がろうそくを手にしたまま、困った顔で聞いてきました。
「ねえ、ママ。これ、ろうそくどこに立てるの?」
もう我慢できませんでした。
夫も笑い出し、息子もつられて大笑い。私もおなかが痛くなるほど笑ってしまいました。
結局、その夜はスプーンを3本出して、箱に残ったとろとろのアイスをすくって食べることに。
見た目はすっかり変わってしまいましたが、甘いいちご味はおいしく、息子も浮いていたいちごを全部すくって満足そうでした。
そして翌年の誕生日。
ケーキの箱を持って帰ってきた夫が、真っ先に言ったのです。
「今年はちゃんと3回聞いたよ。溶けないって!」
その言葉を聞いた瞬間、私はまた去年の出来事を思い出して笑ってしまいました。
あの日のケーキは残念な姿になってしまいましたが、今では家族みんなで笑える、大切な誕生日の思い出です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














