「ちょっと待って。動かないんだけど」お弁当の朝に炊飯器が動かず大慌て。週末、母のひと言で知った事実
準備万端のつもりだった朝
子どもの部活でお弁当が必要な日の前の晩、私は寝る前に台所に立ちました。
朝が苦手なので、ご飯だけは予約しておこうと思ったのです。
研いだお米を炊飯器に入れ、予約の時刻を合わせます。
「よし。これで朝は詰めるだけ」
ピッという音を確認し、私は安心して布団に入りました。
翌朝、台所へ行くと、ご飯のにおいがしています。
「ちゃんと炊けた」と思いながらしゃもじを手にした私は、炊飯器を見て目を疑いました。
ふたが、ぱっくり開いていたのです。
「えっ、なんで?」
中を見ると、ご飯の表面は乾いて固くなっていました。
慌ててお米を研ぎ直し、もう一度炊こうとしたものの、今度は画面に見たことのない表示が出ています。
「ちょっと待って。動かないんだけど」
電源を差し直してみても、表示は変わりません。
子どもはまだ二階で寝ています。
時計を見ると、家を出るまであと30分ほどでした。
どうしようと冷凍庫を開け、奥まで探してみると、冷凍しておいたご飯がひとつだけ残っています。
「あった…助かった!」
急いで温めてお弁当に詰めました。そんな朝の騒ぎを知らない子どもは、いつもどおりお弁当を受け取り、元気に出かけていきました。
母のひと言で気づいた炊飯器の年齢
その週末、実家に寄った私は、台所のテーブルで両親にあの朝のことを話しました。
「お弁当の朝に炊飯器のふたが開いてて、ほんと焦ったよ。しかも、そのあと動かなくなって」
父は笑い、母も肩を揺らしています。
「こっちは本気で焦ったんだからね」
そう言うと、母がふと思い出したように私を見ました。
「ちょっと待って。それ、私が20年前にあげた炊飯器じゃない?」
「えっ……もう20年も使ってたっけ?」
言われて初めて気づきました。毎朝あたりまえのように使っていたので、何年前から家にあるのか考えたこともなかったのです。
「20年も毎朝炊いてきたんだ。一日くらい寝坊もするさ」
父がそう言うと、私もとうとう吹き出しました。母もまだ笑っています。
朝はあれほど焦ったのに、20年という年月を聞いた途端、ずいぶん長く頑張ってくれたんだなと思えてきました。
次の週末、私は両親と一緒に新しい炊飯器を買いに行きました。
家に帰って古い炊飯器を片づけるときには子どもも呼び、家族みんなで声をかけました。
「長いあいだ、おつかれさま」
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














