「えー見てない、どうだった?」授業参観中にドラマの話をやめない母親2人。だが、隣にいた私の一言で急に顔を赤くした
先生が振り返っても、止まらない声
息子の授業参観に出かけた日のことです。教室の後ろには保護者がずらりと並び、前では若い女性の先生が授業を進めていました。
私も息子の姿を見守りながら、先生の話に耳を傾けていました。
ところが、私のすぐ隣に立っていた母親2人が、授業の途中で話し始めたのです。
片方が前の晩に見たドラマの話を持ち出すと、もう片方が身を乗り出しました。
「えー見てない、どうだった?」
最初はささやき声だったのに、話が盛り上がるにつれて声も大きくなっていきます。
「それでね、最後に急に戻ってくるのよ」
「やだ、見ればよかった」
前の席の子どもが振り返りました。私も2人を見ると、片方がもう片方の腕を軽くたたきます。
「いいのいいの、後ろなんだし、聞こえないって」
けれど、すぐ前の子どもにさえ聞こえているようです。
私が声をかけようか迷っていると、先生がチョークを持つ手を止め、教室の後ろを振り返りました。
先生の視線は2人のほうに向けられていましたが、2人は話をやめません。
先生は少し間を置いて、また黒板に向き直りました。
ほかの子どもたちも何度か後ろを気にしていました。息子まで私のほうを振り返ります。せっかくの授業参観なのに、これでは授業に集中できません。
私の一言で、急に静かになった2人
私は思い切って2人のほうへ向き直りました。ただ、ここで大きな声を出しては、私まで授業の邪魔をしてしまいます。
2人に届くくらいの声で話しかけました。
「あの、すみません。お二人とも、声がよく通るみたいで……。前のほうまで聞こえてると思いますよ」
「え?」
片方の母親が驚いたように私を見ました。
もう片方はあたりを見回し、近くの保護者たちの視線に気づいたようでした。
2人の顔がみるみる赤くなり、そろって前を向きました。
それから授業が終わるまで、2人の話し声が聞こえることはありませんでした。
静かになった教室で、先生の説明がはっきり聞こえます。しばらくすると、息子が背筋を伸ばして手を挙げました。私もようやく息子の授業に集中できた気がしました。
少し離れた場所にいた年配の女性が、私を見て小さくうなずいていました。
授業の終わりのあいさつが済むと、息子が私のところへ駆けてきました。
「お母さん、ぼくが手をあげたの、見てた?」
「うん、ちゃんと見てたよ」
そう答えて息子の頭をなでていると、2人の母親は顔を伏せたまま、足早に教室を出ていきました。
注意するのは勇気がいりましたが、声をかけてよかったと思いました。授業の最後に、息子の頑張る姿を落ち着いて見られたことが、何よりうれしかったです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














