「あの人、ずっとこのままなのかなって思ってました」誰も言えなかった本音を年配女性が代弁→無自覚パワハラ上司の態度が一変
機嫌を伺う毎日と、机の上の矛盾
店舗の中で誰もが息を潜めていた相手は、中堅の女性上司でした。本人に自覚はないのですが、口調の強さと細かい指摘で、気がつけば全員がその人の機嫌を最優先に動くようになっていました。
段ボールの畳み方、ゴミの出し方、テープの剥がし方。そんな小さな所作にいちいち姑のような口出しが入り、誰かが片付けたあとから、わざわざ広げて畳み直す姿はもはや日常風景です。
不思議だったのは、本人の作業台のまわりだけは別ルールが適用されていたこと。書類の山がいつも崩れそうに積み上がり、その勢いは隣の島の作業スペースにまでにじみ出していました。みんなが気を遣ってよけて通る道。本人は何も気づきません。
休憩室の自販機前で、入社年数の浅いパートさんが小さくこぼしていたのを覚えています。
「あの人、ずっとこのままなのかなって思ってました」
誰もが思っていたけれど、口に出せなかった本音。それを誰かが代わりに引き受けてくれる日は、来ないように見えていました。私自身も何度か、上司に直接何か言おうかと考えた瞬間はありました。けれどそのたびに、職場の空気を悪くしたくないという気持ちが先に立ち、結局飲み込んでしまうのです。
代わりに本音を置いていった人と、戻ってきた静けさ
その日が来たのは、年配の女性社員が新しく配属されてきてから、ほんの数日後のことでした。長く別の現場で働いてきたベテランで、職場の空気にも上下関係にも、まだ縛られていない人。
その人はあの書類の山を見つけると、上司に向かって淡々と告げました。
「ここ汚くてみんな作業しにくいから3月までに片付けてください」
柔らかい口調でしたが、間違いなく直球でした。中堅の女性上司の表情が固まり、店舗のあちこちでこっそり目を見合わせた人たちがいました。私もそのうちの一人です。
すぐに片付いたわけではありません。けれど、それと並行するように、過去にこの上司の振る舞いに耐えきれず他店舗へ異動した職員たちが、本社の担当に状況を細かく伝えていたようなんです。
ほどなくして、本社から直接の注意が上司に入りました。電話のあと、書類の山が日に日に低くなり、隣の島まで侵食していた紙束が、ようやく自分のスペースに収まる日が来ました。
あれから、上司は周りに強く言うことが少なくなりました。段ボールにいちいち口を出すあの姑のような小言も、いつの間にかぱたりと止んでいます。代わりに、店舗には誰もが少しだけ深く息を吸える静けさが戻ってきたのです。年配の女性社員ひとりの直球が、止まっていた一年を解いてくれたように思えました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














