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2026.10.22(Thu)

「もっと崩しちゃえ!」砂場で息子をあおった母親。だが、男の子が取った行動に笑顔が消えた

「もっと崩しちゃえ!」砂場で息子をあおった母親。だが、男の子が取った行動に笑顔が消えた

走ってきた男の子が崩した砂山

ある休日の昼、娘を連れて公園へ出かけたときのことです。

娘はブランコへ駆けていき、私は砂場のそばのベンチに腰を下ろしました。

砂場では、幼稚園くらいの男の子が一生懸命に砂山を作っていました。

砂を盛っては少し離れ、形を確かめてまた手を動かしています。

砂場の向こう側のベンチには、その子の母親が座り、楽しそうに見守っていました。

そのとき、別の男の子が砂場を横切るように走ってきました。

砂山に気づかなかったのでしょうか。男の子の足がぶつかり、せっかく積み上げた山が上から崩れてしまったのです。

「あ…」

砂山を作っていた子は、崩れた砂を見つめたまま動かなくなりました。

走ってきた子も、しまったというような顔で立ち止まっています。

子ども同士のことなので、私はひとまず様子を見ていました。

すると突然、砂場のふちに立っていた女性が笑い出したのです。

走ってきた男の子の母親でした。

「やだ、崩れちゃったじゃない」

向こうのベンチにいる母親が困ったような顔をしても、女性は笑ったままです。

「こういうのは笑っとけばいいのよ」

それだけではありません。自分の息子に向かって、さらに声をかけました。

「いいよいいよ、もっと崩しちゃえ!」

私は思わず女性の顔を見ました。

わざとではなかったとしても、砂山を作っていた子は悲しそうにしています。

それなのに、どうしてそんなことが言えるのでしょう。

母親の笑い声が消えた瞬間

ところが、走ってきた男の子は母親の言葉には反応しませんでした。

砂山を作っていた子の顔を、じっとのぞき込んでいます。

「ねえ、聞いてるの?」

母親が呼びかけても、男の子は振り向きません。

そして、砂の上に転がっていたスコップを拾い、うつむいている子の隣にしゃがみました。

「ごめんね、いっしょにつくろう」

そう言って、にっこり笑ったのです。

すると、うつむいていた子も顔を上げました。

「うん、つくる!」

二人は並んでしゃがみ、崩れた砂を集め始めました。

さっきまで悲しそうだった子も、今度は楽しそうにスコップを動かしています。やがて、先ほどより大きな砂山が少しずつできていきました。

周りのベンチにいた保護者たちも、穏やかな表情で二人を見守っています。

ふと、砂場のふちに立つ母親を見ると、さっきまでの笑顔が消えていました。

何か言いかけたように口を開きましたが、結局何も言わず、わが子の背中を見つめています。

そのとき、向こうのベンチから砂山を作っていた子の母親が声をかけました。

「ありがとう。やさしいのね」

男の子は少し照れたように笑い、またスコップを動かし始めました。

そこへ、ブランコから戻ってきた娘が私の隣に立ち、砂場を指さしました。

「あのお山、大きいね」

私は笑顔でうなずきました。

砂場のふちでは、あれほど笑っていた母親が、もう何も言わずに二人の様子を見つめていました。

母親の言葉ではなく、目の前の友だちの悲しそうな顔を見て、自分から謝った男の子。

その小さな行動が、私にはとても印象に残りました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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