「時給1500円で、おやつにスマホ」本社の部長の前で、派遣の私の更新を見送ると言い出す所長。目が泳いだ瞬間
月曜の朝、小さな営業所で
週末のうちに、私の机は入口の横へ移されていました
ドアを開けると、入口のすぐ横に私の机がありました。週末のうちに、窓ぎわから動かされたのです。
奥の机から、所長がこちらも見ずに言いました。
「事務は入口の横だ。窓ぎわでサボるな。」
6月の月曜の朝。所長と営業の2人、それに派遣の私の4人の営業所です。営業の2人は、もう外回りに出ていました。
「引き出しの中まで、移したんですか?」
所長は、カメラは金庫しか映さないと言いました
所長は答えず、週末に防犯カメラを付けたと言いました。
奥の角の金庫を見張るためだそうです。
「金庫しか映さない。」
掃除のときも、カメラには触るなと言われました。所長は毎朝、誰よりも早く出てきます。
「毎朝、俺が自分で金庫に向けてる。」
外回りだった所長が、昨日の私を言い当てました
水曜、所長は朝から夕方まで外回りで、一度も戻りませんでした。
営業の2人も外で、いたのは私ひとり。3時に荷物を届けた配達の人が、飴をひとつくれました。
木曜の朝、所長はスマホを片手に言いました。
「昨日の3時、おやつを食べたな。」
「配達の人に聞いたぞ。」
あの人が話したのか、と肩が縮みました。
更新の面談に来た本社の部長
所長は本社の部長に、更新は見送ると言いました
金曜の朝、7月以降も私をこの営業所で受け入れるか確認するため、本社の部長が来ました。
所長は部長の前で、私の机に手のひらを向けます。
「時給1500円で、おやつにスマホ。」
所長は、水曜の午後3時に飴を食べたことも、朝から夕方までにスマホを5回確認したことも、部長に告げました。
スマホを確認したのは、派遣会社からの更新に関する連絡が来ていたためです。
「更新は、見送ります。」
派遣会社との雇用契約は別ですが、この営業所で働き続けられるかは、所長の報告にも左右されます。
言い返せば、次はありません。
本当なのかと、部長が私を見ました。
レンズは金庫でなく、真下の私の机へ傾いていました
配達の人がいたのは、3時の1分だけ。
朝から夕方まで、スマホ5回見たというのを課長が知るはずがありません。
だが、一日じゅう、私の机を見ていた物がある。
私は机の横に立ち、入口の上の高い棚を改めて見上げました。
座ると頭のうしろになる棚です。
黒い箱形の防犯カメラ。そのレンズは、奥の角の金庫ではなく、真下の私の机へ傾いています。
私は片手を上げて、カメラを示しました。
「金庫と私の机、どちらを映します?」
部長が、金庫とレンズの向きを見比べました。
評価は本社に移り、所長は目を泳がせていました
「角度がずれてただけだ!」
「毎朝ご自分で向けるとうかがいました。」
奥の角の金庫と、真下の私の机。ずれたで済む向きではありません。
部長がその場でカメラの映像を確認するよう促すと、所長は渋々スマホを操作しました。
画面に映ったのは、金庫ではなく私の机でした。
「水曜の私を、そのスマホでご覧になっていたんですね」と所長の手もとを示すと、所長はスマホを背中へ回しました。
「更新の面談は、本社で受けさせてください」と私が頼むと、部長は所長に告げました。
「評価は今日から本社でします。カメラは今日中に外してください」
派遣会社にも事情を伝え、今後の受け入れについては本社で判断することになりました。
所長は机の端に手をつき、部長と私のあいだで目を泳がせていました。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














