「ストール代、4万円払って」私の車に忘れたと言い張り、支払いを迫るママ友。だが、実際の車を見て絶句
雨の日に乗せてもらったと
門を出たところで、ママ友に車に乗せてもらったと言われました
「あなたの車に、乗せてもらった。」
10月の平日の朝、娘を幼稚園へ送ったときのことです。仕事で使う車を駐車場の奥に停め、娘を送り届けて門を出たところでした。
駐車場から歩いてくる私を見ていたのか、一人のママ友が門の前で待っていました。車は植え込みの陰にあり、門の前からは見えません。
声をかけてきたのは、娘と同じクラスのママ友グループのまとめ役の女性です。隣には、別のママ友も立っています。
まとめ役のママ友は、先週の雨の日、園の帰りに私の車で家まで送ってもらったと言うのです。
「一度も、乗せていません。」
ママ友は、後ろの席の足もとにストールを忘れたと言いました
ほかの方の車と間違えているのでは、と聞いても、運転していたのは間違いなくあなたよ、と言い切ります。
「助手席には、チャイルドシート。」
「だから、後ろの席に座ったの。」
その後ろの席の足もとに、夫にもらったカシミヤのストールを置き忘れた、とママ友は続けます。
私は思わず首をかしげました。そもそも、うちの車には後ろの席などありません。
しかし、ママ友は私の反応など気にする様子もなく、一方的に話を続けました。
4万円を払わないなら、グループのみんなに言うと迫られました
「ストール代、4万円払って。」
「拾って黙ってる人って、言うから。」
払わないなら、グループのみんなにそう言うそうです。
うちの車には、と言いかけた声は、ママ友の声にかき消されました。
グループの連絡を取りまとめているのは、このママ友です。グループに入ってまだ1か月の私が何を言っても、先に広まるのは彼女の話かもしれません。
口頭で車のことを説明しても、嘘だと言い返されそうです。それなら、実際に車を見てもらうのが一番だと思いました。
払ったほうが早いよ
もう一人のママ友にまで払うよう言われ、私は駐車場の奥を示しました
「払ったほうが早いよ」と、まとめ役のママ友の話を信じたもう一人のママ友までが、困った顔で私を見ます。
「夫に、何て言えばいいのよ。」
まとめ役のママ友が、手のひらを上にして私の前へ差し出しました。
私はそれ以上言い争うのをやめ、駐車場の奥のほうへ片手を向けました。
「うちの車を、見てください。」
うちの車は2人乗りの軽トラックで、後ろの席はありません
二人を連れて植え込みの陰に回り、白い軽トラックの横まで歩いて振り返ります。
夫と営む、小さな花屋の車です。荷台には、配達用の花の苗の箱が積まれています。
座席は運転席と助手席の2つだけ。運転席の後ろに座席はなく、車体の後部は荷台になっています。
店を始めて8年、うちで使っている車はこの1台きりです。
ふだんの送り迎えは歩きで、この車で園に来たのは、今朝が初めてでした。だから、ママ友たちは私の車が軽トラックだと知らなかったのでしょう。
まとめ役のママ友の目が、運転席の後ろに止まりました。
「じゃあ、前の席だった!」
「後ろの席、とおっしゃいました。」
しかも、助手席にはチャイルドシートがあると言っていました。運転席に私が座れば、ママ友が座れる席はありません。
隣にいたママ友も車内をのぞき込み、驚いた顔でまとめ役のママ友を見ました。
もう一人のママ友は私の隣に並び、まとめ役のママ友の横には誰もいなくなりました
まとめ役のママ友は荷台から目をそらし、トレンチコートのベルトを両手で握りしめました。
「……4万円は、もういい。」
「みんなには、言わないで。」
ストールは、どこでなくしたのか分からないの、とママ友が小さな声でこぼしました。
どうやら、なくしたストールの代金を私に負担させようとしていたようです。
一緒にいたママ友は返事をせず、肩のトートバッグをかけ直して、私の隣に並びました。
先ほどまで支払いを勧めていたママ友も、今はまとめ役の女性をかばおうとはしません。
まとめ役のママ友の横には、もう誰もいませんでした。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














