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2026.10.22(Thu)

「スープがぬるい。口コミに書くから」ほぼ食べ終えてから、お代は払わないと騒ぐ客。だが、態度が一変

「スープがぬるい。口コミに書くから」ほぼ食べ終えてから、お代は払わないと騒ぐ客。だが、態度が一変

「スープがぬるい。口コミに書くから」ほぼ食べ終えてから、お代は払わないと騒ぐ客。だが、態度が一変

商店街のラーメン店の昼過ぎ

お客さんは連れの方に、今日は自分のおごりだと言いました

お客さんは連れの方に、今日は自分のおごりだと言いました

「今日は、私のおごりね。」

カウンターの右側の丸椅子に座った女性のお客さんが、連れの方に胸を張りました。

10月の平日、昼の混雑が引いた商店街のラーメン店には、この2人だけが残っていました。

女性のお客さんは先に一人で来店し、二人分のラーメンを注文していました。連れの方は、外で電話を終えてから入ってきたのです。

パートの私は、カウンターの中で注文を聞き、料理をお出ししていました。

どんぶりがほぼ空になってから、スープがぬるいと言われました

どんぶりがほぼ空になってから、スープがぬるいと言われました

女性のお客さんのどんぶりがほとんど空になったころ、突然、声が上がりました。

「スープがぬるい。口コミに書くから。」

「お代は、払いません。」

連れの方は、手もとの水のコップに目を落としています。

奥の厨房では店長が次の仕込みに取りかかっていて、こちらのやり取りには気づいていない様子でした。

ふつうに注文しただけと言われ、私は頭を下げるしかありません

ふつうに注文しただけと言われ、私は頭を下げるしかありません

「私は、ふつうに注文しただけ。」

「申し訳ございません。」

私は頭を下げました。しかし、注文のときのやり取りは、はっきり覚えています。

女性のお客さんは確かに『スープはぬるめで』と言い、私が繰り返して確認すると、うなずいたのです。

けれど、注文を聞いたのは私ひとり。連れの方はまだ外にいました。券売機も伝票もない店なので、その場ですぐに注文内容を示せるものが見当たりません。

お盆には注文内容を区別するための木札を載せていましたが、お客さんのスマホが置かれているあたりは、こちらからよく見えませんでした。

こちらの説明を聞いてもらえないまま口コミを書かれれば、店の評判に響くかもしれません。

三角巾の下で、こめかみがじんと熱くなりました。

「口コミに書く」と言われて

お客さんはスマホを持ち上げ、ひと口目からぬるかったと言いました

お客さんはスマホを持ち上げ、ひと口目からぬるかったと言いました

女性のお客さんが、お盆の上に伏せてあったスマホを持ち上げました。

「お店の名前も、書いとくわ。」

「ひと口目から、ぬるかったの。」

私は何も言わず、顔を上げました。

そのとき、スマホが置かれていた場所に、小さな青い木札が見えたのです。

青い木札は、ぬるめのご注文のときだけお盆に置きます

青い木札は、ぬるめのご注文のときだけお盆に置きます

私は、お盆の上の、どんぶりの横へ手のひらを向けました。

「ご注文のとき、スープは何と?」

そこには、先ほどまでスマホに隠れていた青い木札がのっていました。

この店では、スープをぬるめにしてほしいという注文を受けたとき、青い木札を目印にしています。

私が注文内容を繰り返して確認したあと、札をお盆に置いて厨房へ伝える仕組みです。

店長は札を見て、指定された温度に調整したスープを用意します。配膳時の取り違えを防ぐため、札はお盆に載せたままにして、食器を下げる際に回収する決まりでした。

今回は、料理を運んだあとにお客さんがスマホを伏せて置いたため、青い木札がその下に隠れていたのです。

お客さんの持ち物を、店員の私が勝手に動かすわけにもいかず、スマホが持ち上げられるまで札を確認できませんでした。

お客さんは二人分払うと言い、スマホを伏せて手を置きました

お客さんは二人分払うと言い、スマホを伏せて手を置きました

「さっきまで、札なんてなかった!」

「お客さんのスマホの下にありました。」

札は、私が注文を受けたときに置いたものです。お盆が届いてから、お客さん自身がその上にスマホを伏せていました。

連れの方も、スマホが置かれていた場所に目を向けています。

そもそも、ぬるめのスープを希望したのはお客さん自身でした。ひと口目からぬるかったと言いながら、どんぶりがほとんど空になるまで何も言わなかったのです。

連れの方が、水のコップをカウンターに置き、小さくうなずきました。

お客さんは『……熱いのが苦手で、ぬるめって頼んだわよ』『二人分、払うわ』と言いました。

私が『口コミには、ぬるめのご注文と、お書きください。』と返すと、お客さんはスマホをカウンターに伏せ、手のひらで覆いました。

それまで身を乗り出していた肩は小さく丸まり、もうスマホを持ち上げようとはしませんでした。


※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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