
令和世代はMDプレーヤーをもう知らない!?
スマホひとつで何千万曲が聴ける時代。
でも、かつては音楽を"録音して持ち運ぶ"ことが、青春でした。
そんな時代の象徴が――
MD(ミニディスク)プレーヤー。
令和の若者はまずこう思うだろう。
「え?これCD?カセット?……なにこれ?」
MDって何の略?
「MiniDisc(ミニディスク)」の略で、1990年代にソニーが開発した音楽メディア。
小さなプラスチックのカセット状の中に、デジタル音源を記録できる"録音メディア"だった。
サイズ:7cm四方くらい
音質:CDに近いが、圧縮形式でやや劣化
容量:74分〜80分の音声を録音可能(曲数で約20曲)
CDより小さく、カセットより高音質。
「これが次世代の音楽の形だ!」と当時はもてはやされた。
音楽の聴き方が全然ちがった!
・CDをMDコンポで再生して、MDに"録音"する
・曲名やアーティスト名は、自分でちまちま入力
・プレーヤーにMDを入れて、有線イヤホンで聴く
つまり、スマホで「ポチッ」と再生する感覚はゼロ。
「録音して」「ラベル書いて」「聴く」までが一つの流れでした。
なぜ消えた?終わった理由
MD文化の終焉には、いくつかの決定的な転機がありました。
まず2001年、Appleの「iPod」が登場したことで、音楽の聴き方が大きく変化します。
MDのようにわざわざ録音する必要はなくなり、音楽は“ダウンロードして同期する”時代へと移行。
さらにその後、スマートフォンの普及によって、音楽プレーヤーとしての機能もスマホに一体化していきました。
これにより、「録音も再生も1台で完結する」のが当たり前に。
一方で、MD再生機器は構造が複雑で壊れやすく、修理対応や製品展開も徐々に縮小。
そうした中、2013年にはソニーがついにMDプレーヤーの生産を終了しました。
現在では新品のMDプレーヤーは入手が困難で、MD自体も“再生環境の失われたメディア”として、かつての遺産のような存在になっています。
まとめ
MDは、音楽を「選んで、録って、飾る」という文化が根付いていた時代の象徴です。
スマホで“ポチッ”と音楽を聴く令和世代には想像しにくいかもしれませんが、
手間がかかったぶんだけ、そこに詰まった思い出も深いものでした。