「もったいない!節約して作ってよ!」と料理に文句を言う妻。俺が洗ってる鍋を見ても、同じことが言えるのだろうか…
妻の気になる言葉
仕事から帰宅し、スーツを脱いで部屋着に着替えると、僕はそのままキッチンへと向かいました。
共働きの我が家では、気づいた方が家事をするのが暗黙のルール。
今日は僕が夕飯担当です。
シンクに溜まった洗い物を片付けながら、献立を考えます。
冷蔵庫を開けると、使いかけの野菜やお肉がいくつか目に入りました。
「ねえ、冷蔵庫にある食材、適当に使って何か作っちゃっていい?」
リビングのソファでテレビを見ていた妻に声をかけます。
すると、画面から視線を外さずに、妻の鋭い声が飛んできました。
「ちょっと!あんまり沢山使わないでよ」
「え? いや、あるもので済まそうと思って」
「あなたってさ、一回で三食分くらいの量を使うじゃない?男の料理って感じで豪快なのはいいけど、こっちは食費の計算で頭が痛いんだからね。もったいない!節約して作ってよ!」
妻の言い分はもっともです。
確かに僕には、あれもこれもと具材を入れすぎてしまう癖があります。
「ごめんごめん、気をつけるよ」と返事をしながら、僕は手元の作業に戻りました。
夫婦円満の秘訣は
でも、この時ばかりは、胸の奥でモヤモヤとした黒い感情が渦巻いてしまったのです。
なぜなら、妻に「食費が大変!」「使いすぎ!」と怒られているその瞬間、僕がシンクで洗っていたのは、ある「鍋」だったからです。
その鍋の中身は、昨日の夜に妻が作ったスープ。
野菜がゴロゴロと入った具沢山のスープでしたが、味付けが微妙だったのか、子どもたちにも不評で、ほとんど手がつけられないまま残っていました。
(……これ、どうすんの?)
一日経って傷み始めているため、もう食べることはできません。
僕はため息をつきながら、大量の具材とスープをゴミ袋に流し込み、鍋を洗っている最中だったのです。
「食費が大変」
「三食分くらい使ってる」
さっきの妻の言葉が、ブーメランのように頭の中を駆け巡ります。
(いや、この大量の廃棄こそ、食費の無駄遣いじゃないのか……?)
(俺に文句を言う前に、この鍋の惨状を見てくれ……!)
喉元まで「あんたもな!」という言葉が出かかりました。
しかし、仕事で疲れている妻にそれを言えば、今夜が修羅場になることは目に見えています。
僕はグッと唇を噛み締め、言葉を飲み込みました。
「……はいはい、節約ね。わかったよ」
テレビのバラエティ番組を見て笑っている妻の背中に向かって、心の中でそっと毒づきながら、僕は綺麗になった鍋を棚に戻しました。
夫婦円満の秘訣は、時には「見ざる言わざる」であることなのかもしれません。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














