「どいてくれる?」病院の待合室で足を痛め待っていた私に、理不尽な要求をする親子。困惑する私を救ってくれた、看護師の対応
足の痛み
膝裏に鉛を詰め込まれたような、重くうずく痛み。
一歩踏み出すたびに走る激痛に耐え、足を引きずりながら、ようやくの思いでたどり着いた病院の待合室。
診察の予約時間より少し早く着いた私は、目当ての診察室のすぐ前、端っこのソファに深く腰を下ろしました。
「ふぅ……。やっと座れた……」
患部をかばい、痛みが引くのをじっと待っていた、その時。
「ねえ、そこ。どいてくれる?」
唐突に上から降ってきた、冷ややかな声。
顔を上げると、中学生くらいの女の子を連れた、派手な装いのお母さんが立っていました。
「えっ……私ですか?」
「そう。ここに座りたいから、別のところへ移動してほしいんだけど」
お母さんの口調は当たり前のように傲慢で、有無を言わせぬ威圧感。
驚いて周囲を見渡すと、すぐ近くには親子二人でゆったり座れる空席が、少なくとも3箇所は残っています。
しかも彼女たちの受付票は、ここから遠い別の診察室。
(他にも空いている席はたくさんあるのに。どうしてわざわざ、足の不自由な私を狙い撃ちにするの?)
疑問がぐるぐると頭を巡りますが、お母さんは「どくのが当然」と言わんばかりに仁王立ち。
隣の娘さんは、気まずそうにするどころか、スマホをいじりながら鼻で笑っています。
悔しさと痛みで震えながら、私が手すりを掴んで立ち上がろうとした、その瞬間でした。
救ってくれたのは
「ちょっと!何してるんですか!」
凛とした声が待合室に響き渡りました。
声の主は、処置室から出てきたばかりのベテラン看護師さん。彼女は私の状態をよく知る担当者でした。
「あ、いや、ここに座りたかっただけで……」
たじろぐお母さんに、看護師さんはきっぱりと言い放ちます。
「この方は膝の重症で、歩くのもやっとの状態なんです。すぐ隣に空席がいくつもありますよね?痛みに耐えている患者さんを立たせてまで、ここにこだわる理由は何ですか?」
周囲の患者さんたちの視線が一斉にお母さんに突き刺さります。
「信じられないわね……」「わざわざあんな不自由な人に……」というヒソヒソ声。
「あ、いや、そんなにひどいとは知らなくて……行こう!」
真っ赤になったお母さんは、娘の手を引いて逃げるように別のフロアへ去っていきました。
「大丈夫ですか? 災難でしたね」
看護師さんの優しい言葉に、強張っていた心がスッと溶けていくよう。
理由はいまだにわかりませんが、理不尽な要求に折れなくてよかった。
あの日感じた膝の痛みは、看護師さんの毅然とした対応のおかげで、少しだけ軽くなった気がしました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














