「また美味しいところだけ持っていくんだな」面倒な仕事を押し付ける先輩。しかし、会議で数字のミスを追求された結果
私がまだ若かった頃の、ある職場での出来事です。
当時の部署には、少し困った先輩がいました。
「悪いけど、この資料のデータ整理、お願いできるかな?ちょっと手が離せなくてさ」
「はい、わかりました。今日中で大丈夫ですか?」
「うん、よろしく!俺は明日のプレゼンの準備があるから」
先輩はいつも、地味で手間のかかる裏方の作業ばかりを私に振ってきます。そして自分自身は、上司の目に留まりやすい、華やかで目立つ業務ばかりを担当。当然、評価されるのは先輩ばかり。
(また美味しいところだけ持っていくんだな……)
内心ではそう思いつつも、波風を立てたくない一心で、私はぐっと我慢。ただひたすらに、目の前の地道な作業をこなす毎日でした。
「えっと、それはですね……」会議室の凍りつく空気
そんなある日のこと。部署全体で取り組む大きな案件が立ち上がり、その先輩が中心となってプロジェクトを進めることになりました。
しかし、ここで事件が起きます。
先輩は普段から細かい確認を怠り、人任せにしていたツケが回ってきたのです。案件の重要な部分で、取り返しのつかないミスが発覚。
緊迫した空気が漂う、進捗報告の会議室。
「この部分の計画、現状のデータと全く辻褄が合っていないようだが。どういう根拠でこの数字を出したんだ?」
上司からの鋭い指摘。
「えっと、それはですね……その、担当の者に確認しないと……」
しどろもどろになり、曖昧な返答しかできない先輩。その瞬間、その場の空気が一気に凍りつきました。
見ている人は、ちゃんと見ている
「君は責任者だろう?普段から、どうやって業務の進捗や詳細を管理しているんだ?」
上司の追及は止まりません。
そこから、日頃の業務の進め方について、一つ一つ具体的な確認が始まりました。誰が、どの業務を、どれくらい担当しているのか。結果的に、先輩の不公平な仕事の振り方や、ずさんな管理体制が明るみに出る形に。
「今まで、こういうやり方をしていたのか……」
呆れたような上司のつぶやき。先輩の顔は真っ青です。
その後、部署内の仕事の割り振りは根本から見直されることになりました。特定の人間にだけ面倒な作業が偏る不公平な状況は、見事に改善。
私自身は、上司に何か不満を訴えたわけではありません。
それでも、腐らずに真面目に取り組んでいれば、誤魔化しはいつか通用しなくなり、正しい評価が下る。神様が見ていたのか、それとも上司が気づいてくれたのか。
日々の努力は決して無駄にならないのだと実感し、胸のつかえがすっと取れた、忘れられない出来事です。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














